「算数の問題を解く時に図を上手に書きたい!」「キャラクターの顔を可愛く書きたい!」という小学生・保護者の方へ。
この記事は講師歴20年・東大美術部出身の図解講師「そうちゃ」がいわゆる棒人間から表情のある人間まで「算数用の人間・キャラクター」の簡単上手な書き方を図解します。
記事を真似して好きな絵を描いていれば、生徒も保護者・指導者も算数の勉強が100倍楽しくなりますよ!!!
図を使うと…
算数の問題を解く時に図を使うと良いことがたくさんあります。
まず、世の中に算数が嫌い・苦手なお子さんは少なくありません。
その多くは過去の「問題が解けない」「間違えた」「怒られた」「馬鹿にされた」…などのイヤな思い出が原因でしょう。
そんな生徒さんに、問題を解く時に絵や図を書かせてあげると、算数の授業が楽しくなります。
授業が少しでも楽しくなれば、算数に対する苦手意識も薄らいでくるので成績アップに繋がりますね。
また、算数が嫌いでない生徒さんにとっても、文章問題や応用問題を解くときには図を書いて条件を整理して考えるのは非常に有効です。
指導する側のテクニックとしても、「生徒がコチラの話を一方的に聞くだけ」という受動的で単調な授業は生徒の集中力が続かないので、図を書くという能動的な行為を取り入れるのは授業の効果をアップさせることができてオススメです。
人間の図の種類
図を書くときは、最初は詳しく段々省略という書き方をするので、最低2種類を使います。
参考記事:「図は段々省略していく」
その1:全身を描くタイプ
いわゆる棒人間
種類
単純形←ーーーーーー→詳細形
A~Cタイプは省略形で大量に人を描く場合に使います。Dタイプは詳細形で動作やポーズを取らせたい時に使います。
Dタイプの書き方
三等分線をイメージするのがコツ
①「このあたりに描く」というアタリをつけます。実際は線を引かずにイメージするが、慣れないうちは薄く線をひいても良いでしょう。
参考記事「薄い線でアタリをつける」
②アタリを三等分した一番上の部分に丸を描く。この三等分が上手くできればバランスの良い絵になりますが、慣れるまでは難しいので、三等分の練習だけをしても良いですね。
③残った長さの半分(三等分の一番下の部分)で股が分かれるように「人」の字を描く。
④首の下から腕を生やします。
まっすぐの横線ではなく首で折れる山の線で書きます。
長さは股の部分を限界にする。
その2:顔だけを描くタイプ
国語の物語文のように表情を書く場合、または、人間以外の動物を書く場合は全身を描くのが難しいのでこちらで代用します。
種類
Xタイプはただの丸。省略する場合に使います。Yタイプは最低限の目と口を描くので表情も表せます。
描き方(Yタイプ)
横方向も縦方向も半分のそのまた半分(四等分)をイメージする。
①丸を描き、真ん中の水平線・垂直線で十字のアタリをつける。慣れるまでは実際に薄く書いてもよいでしょう。
②アタリの線上を二等分した位置に目の「点」をうつ。
③下四分の一あたりに口を描く。幅は目の点までにします。小さくすると女子供っぽさが増します。
このままでもOKですが、好みで顔立ちを付け加えると楽しいです。
「まつ毛」「縦長の目」「まぶた」
目の点を丸く大きくしてまつ毛をつけると子供や女子
目の点を縦長にするとほのぼの顔
目の点を少し縦長の丸にしてまぶたの線をつけると表情がついてきます。
使用例
問題例1(小2)
特に動作もポーズも必要ないのでCタイプの棒人間を描きましょう。
その下に、鉛筆のつもりで短い棒を4本書きます。これで「4本づつ配る」は表現できました。
次に7人の子供を書きます。
Cタイプを7つ描いてもよいですが、集中力を人数の方に向けたいので、残りの6人は鉛筆を持たせず簡単なAタイプで書きます。
「7」まで数えながら書き足す
この時大事な事は人を書きながら「2」「3」…「7」と声で数えさせることです。
「4」本鉛筆を持っている人が「7」人という事をしっかり意識させるましょう。
このAタイプの下には鉛筆を書かせると「4」に意識が行って「7」を忘れるお子さんが多いのです。
書きたがる場合は7人のAタイプを描いた後に書かせます。
参考記事:「同時に2つの作業をしない」
声を出さなくても間違えなくなったら、途中を完全に省略するタイプへ移行します。これなら100人でも大丈夫ですね。
この場合は、7人描く代わりに人の上に「7」を書かせます
次に、全身でなく顔だけのタイプです。
顔の表情が書けるので算数嫌いの子にはオススメです。
最初の顔は表情と四本の線を描いて、後は丸だけです。
声を出さずに7人書けるようになったら省略形を練習
普段の勉强時には、このようにまずは図を描いてから、
「4×7」と立式をさせて答えを導く癖をつけます。
このイメージが頭の中に出来てくる!
すると、イメージが頭の中に作られて、試験のときは何も書かずにパッと立式・解答できるようになっていくでしょう。
図とイメージの関係についてはこちらの記事を御覧ください。