「つるかめ算って何?」どうやるの?」という小学校低学年の方から、「受験に向けて応用問題を解きたい」という中学受験生の方まで、全員お任せ下さい。
東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」がつるかめ算の基礎から応用まで分かりやすく説明します。
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つるかめ算とは
ニ種類以上の物の単価と合計個数・合計金額から、各種類ごとの個数を求める問題です。(参考:ウィキペディアの説明)
0-0:つるかめ算
1個80円の肉まんと1個100円のピザまんを合計20個買ったら1860円だった。
肉まんとピザまんをそれぞれ何個ずつ買ったか?
ここでは「肉まん」「ピザまん」という二種類のモノの単価「80円」「100円」と合計個数「20個」と合計金額「1860円」という4つの数値から、「肉まん」「ピザまん」それぞれの個数を求めます。
つるかめ算の解き方には大きく2つ「面積図を使う」と「面積図を使わない=置き換え法」があります。
「面積図」が有名なのですが「置き換え法」も重要なので、中学受験生は両方できないといけません。
基本解法(置換え法=差集め算)
表を用いたりして解く(置き換え法)。実質的に「差集め算」の考え方を用いている。
AB二種類の品物を買うときの手順
- 全部Aとして「仮の合計」を計算する
- 仮の合計と実際の合計との「合計の差」を出す
- AとBの「1個の差」を出す
- 「合計の差」を「1個の差」で割ってBの数を求める
例題をどうぞ
ピザまんと肉まんをそれぞれ何個ずつ買ったか
20個全部が肉まんだとすると100×20=2000円(仮の合計)になるはず
全て肉まん | … | 実際 | ||
ピザまん (金額) |
0個 (0円) |
? | ||
肉まん (金額) |
20個 (2000円) |
20-? | ||
合計金額 | 2000円 (仮の合計) |
1860円 |
実際は1860円なので2000-1860=140円の差(合計の差)がある
ここで肉まん20個のうち1個をピザまんに変えると100-80=20円安くなる(1個の差)ので、合計も2000円から20円安くなって1980円になる。
全て肉まん | 1個ピザまん | … | 実際 | |
ピザまん (金額) |
0個 (0円) |
1個 (80円) |
? | |
肉まん (金額) |
20個 (2000円) |
19個 (1900円) |
20-? | |
合計金額 | 2000円 | 1980円 | 1860円 |
何個ピザまんに変えれば良いか考えると、合計の差140円を1個の差20円で割った7個と分かる。
つまりピザまんが7個で肉まんは20-7=13個になる。
全て肉まん | 1個ピザまん | … | 実際 | |
ピザまん (金額) |
0個 (0円) |
1個 (80円) |
7個 (560円) |
|
肉まん (金額) |
20個 (2000円) |
19個 (1900円) |
13個 (1300円) |
|
合計金額 | 2000円 | 1980円 | 1860円 |
「つるかめ表」
コンパクトな計算表「つるかめ表」を作ってみた。
単価の差
20円
↘
(80円)
(100円)
金額
肉まん
(0円)
(2000円)
2000円
買い方
()
()
1860円
140円
テスト版
つるかめ表 | 全て 肉まん |
実際の 買い方 |
|
↗ |
ピザまん 80円 |
0個 (0円) |
?個 合計の差 ÷ 単価の差 |
肉まん 100円 |
20個 (2000円) |
20-?個 | |
合計 代金 |
仮の 合計 2000円 |
実際の 合計 1860円 |
|
↖合計の差↗ 140円 |
確認テストをどうぞ
(作成中)
詳しくは「面積図を使わずにつるかめ算を解く」を見て下さい。
基本解法(面積図)
「L字型の面積図」を用います。
(例)鶴と亀が合わせて10匹、足が合計26本の時、
亀は何匹いるか?
- L字の面積図を書き、大きな長方形の面積を出す
- 長方形–L字で欠けの面積を出す
- 欠けの面積÷縦で横の長さを求め
問いに答える(終了)
計算そのものは面積図を使わない解法と全く同じです。
確認テストをどうぞ
詳しくは「面積図でつるかめ算を解く」を見て下さい。
マイナスがある場合(弁償算)
AB二種類の品物を買うときの手順
- 全部プラスとして「仮の合計」を計算する
- 仮の合計と実際の合計との「合計の差」を出す
- プラスとマイナスの「1個の差」を出す
- 「合計の差」を「1個の差」で割ってマイナスの数を求める
「クイズに正解するとお金をもらえるが、不正解だと罰金をとられる」というようにプラスとマイナスがある場合。
「置き換え法=差集め算」の考えで、全部プラスの場合の仮の合計を出し、実際の合計との合計の差を出す。それをプラスとマイナスの1個の差で割るとマイナスの個数が出る。
3-1:弁償算(マイナスつるかめ)
全問正解の場合100×20=2000円になり(仮の合計)、これと実際の合計(1350円)との合計の差は650円。
このクイズでは正解(プラス100)と不正解(マイナス30)との1個の差が100+30=130円の差がある。
合計の差650÷1個の差130=5で不正解(マイナス)は5問と分かる。
確認テストをどうぞ
(20201223作成中)
個数の取り違え
2種類のモノを買うのに、買う個数を逆にしてしまった場合です。
まず、取り違えで代金に差が発生する仕組みを理解して下さい。
2種類のモノを同じ数買う場合は取り違えも代金の差も発生しません。
よってアメとガムの個数の違い(差)に注目する必要があります。
例えば、30円アメ12個と50円のガム8個を買う予定で、個数を逆にしてしまった場合を考えます。
下のような線分図にしてみます。
個数が等しい(アメ8個とガム8個の)部分は、個数を逆にしても(アメ8個とガム8個なので)値段は変わりません。
個数が多いアメ4個の部分がチョコに変わることで、アメとチョコの1個の値段差20円×個数が多い4個分=80円の代金の差が発生します。
つまり「予定と実際の代金の差」は「単価の差」×「個数の差」と等しくなります。(「置き換え法=差集め算」的に考えています)
公式にすると次のようになります。一番上を憶えましょう。
→個数の差で「予定と実際の代金の差」が発生する
●予定と実際の代金の差=個数の差×単価の差
○個数の差=代金の差÷単価の差
○単価の差=代金の差÷個数の差
一番上の式から、予定と実際の合計差を単価の差で割ると個数の差が出ると分かります。
また問題文に「合計○個」の形で書いてある個数の和と合わせて、個数の和と差が分かります。
この「和と差」を使って「和差算」でそれぞれの個数を出します。
以上より、取り違え問題を解く手順は次のようになります。
- 予定の合計代金と実際の合計代金の「合計の差」を出す
- AとBの「単価の差」を出す
- 「合計の差」÷「単価の差」でAとBの「個数の差」が出る(和は問題に書いてある)
- AとBの個数の「差」と「和」で和差算を行う
この手順で問題を解いてみます。
4-1:つるかめ取り違え
ピザまんと肉まんをそれぞれ何個ずつ買う予定だったか
➊合計の差を出す
予定と実際の合計差は180円
➋単価の差を出す
ピザまんと肉まんの単価の差は30円。
➌個数の差を出す180÷30=6でピザまんと肉まんの個数の差は4個。
また、予定よりも高くなっているのは、予定では単価が低い方=ピザまんの方が多かったから。
問題文に合計は20個と書いてあるので、和が20個、差が6個(ピザまんの方が多い)です。
➍和差算を行う
和20差6で和差算を行い、ピザまん13個,肉まん7個
6個
小(肉まん)=(和20ー差6)÷2=7 と分かる
確認テストをどうぞ
35円の桜アメと50円の梅アメを合計23個買い、レジに行って1000円札を出した。おつりが5円もらえる予定だったが、アメの個数を逆にしてしまったので40円足りなくなってしまった。それぞれ何個ずつ買う予定だったか
→( 予定と実際の代金の差は5+40=45円 )
→( 桜と梅の単価の差は15円 )
→( 桜と梅の個数の差は45÷15=3個(実際が高くなったので予定では安い桜が多い)、和は23個 )
→( 和23差3の和差算を解いて、小(梅)=10,大(桜)=13 )
三量のつるかめ算
三種類の物のつるかめ算「三量のつるかめ算」には、ニ種類あります。
片方は普通のつるかめ算に直して解けますが、もう片方は特別な解き方をしないといけません。
拘束型3量のつるかめ算
三種類の個数がバラバラに決まるのでなく条件がついている場合(拘束式)は、2種類のつるかめ算に直して解くことができる。
比(倍)の条件
比または倍の条件の場合は平均を使います。
X-1:三量のつるかめ(拘束型)
(解説)
まず単純に図を書くと「3段のL字形」ができます。このうち左のL字形の部分を平均の考え方で平らにならします。
((図))
左のL字の合計を比の数字(➀:➀)を使って求めると、➀×2+➀×4=⑥です。
((図))
これを長方形にすると全体の面積⑥÷横幅の②=3が高さになります。
((図))
三段だったL字形が二段のL字型になりました。「3本足の動物とクワガタが合計10匹で足の合計は36本」のつるかめ算と考えて、クワガタは2匹と分かる。
((図))
他の例
X-2:三量のつるかめ(拘束型)
(解説)
単純に図を書くと全体が三段のL字型になってしまします。
しかし、平均の考え方でAとBの二段のL字型を長方形に直すと、全体が二段のL字型になるので、つるかめ算で解くことが出来ます。
つるかめ算を解いたらAとBも求めて、A10,B20,C6と分かります。
差の条件
差の条件がある場合は全部の個数と全部の合計を減らします。
X-3:三量のつるかめ(拘束型)
(解説)
図を書くと三段のL字型になっていますが
((三段のL字形))
三段のL字型の図の横の長さが「3」となっている部分(面積3×4=12)をそっくり削り取ると
(())
「鶴と亀とクワガタが合計が(20-3=)17匹、足の合計が(48-12=)36本、鶴と亀の数は等しい。」という上で解いた問題と同じになります。
((図))
これを解いてクワガタは2匹と分かります。
比(倍)と差の組み合わせ
上の2つの解き方を組み合わせます。
真の(非拘束型の)3量つるかめ
つるかめ算の最終形態。三種類の個数がバラバラに決まる場合です。
面積図と「いもづる算」を使って解き、答えが何通りかあることも多い面倒な問題。
いもづる算
3量のつるかめ算へ
面積図を上手く使って二量のいもづる算にして解きます。
Z-1:真の三量のつるかめ算
(解説)
(図)
まず面積図の2の高さより下を切り落として亀とクワガタだけのL字型(左右の高さは2と4)にすると、L字型の面積は38-2×10=18になる。亀の数をP,クワガタの数をQとすると、「2×P+4×Q=18」という式が成り立つ。
(図)
次に「2×P+4×Q=18」の全体を2で割って簡単にすると「1×P+2×Q=9」になる。このあとは足の数が多いクワガタが1,2,3…と調べて表にしていく。
Q(クワガタ)=1の時のP(亀)を求めてみると「1×P+2×1=9」よりPは7、鶴は10-(1+7)=2
Q(クワガタ)=2の時は「1×P+2×2=9」よりP(亀)は5、鶴は10-(2+5)=3
Q(クワガタ)=3の時は「1×P+2×3=9」よりP(亀)は3、鶴は10-(3+3)=4
Q(クワガタ)=4の時は「1×P+2×4=9」よりP(亀)は1、鶴は10-(4+1)=5
Q(クワガタ)=5の時は「1×P+2×5=9」よりP(亀)は0になって不適当で、ここで調べ終了
答えは鶴は2,3,4,5の3通り(面倒くさい!)
もう一つの例
Z-2:真の三量のつるかめ算
(解説)
三段のL字型の下を横幅いっぱいの長方形の形で切り取り、二段のL字型にすると、二量のいもづる算になる。
表を書いて調べると、(X,Y,Z)の組み合わせは5通りあると分かります。
確認テストをどうぞ
(2021.3.17作成中)

●「つるかめ算」(サイパー)
●「算数の基本問題4年」(日能研)
●小4まで…和差センス(シグマベスト)
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