中学受験】整数を「連続する整数の和」に分解する方法【場合の数 | そうちゃ式 受験算数(新1号館 数論/特殊算)

中学受験】整数を「連続する整数の和」に分解する方法【場合の数

例えば、6=1+2+3 のように「整数を『連続する整数の和』に分解する」問題の解き方を知りたい中学受験生の方へ

これ、まともに調べると凄く面倒くさいんですが、最近の中学受験では出題が増えているので、上位校を志望する人は解き方を一度理解しておいた方がいいでしょう

ご安心下さい!東大卒講師歴25年の図解講師「そうちゃ」が何通りあるか簡単に出す方法から、全部の場合を書き出す方法まで!分かりやすく解説します。

記事を読んで例題を解けば「整数を連続する数の和に分解する問題」が得意になっているでしょう♪

連続する整数の和に分解とは?

爽茶そうちゃ

こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。

はじめに、いくつかの数を「連続する整数の和」に実際に分解してみましょう!

実際に分解してみると…

1はそもそも分解できない(0通り)

2は1+1(同じ数の和)にしか分解できない(0通り)

3は1+2という「連続する整数の和」に分解できました!(1通り)

4は…1+3は駄目、2+2も駄目なので「連続する整数の和」に分解できません(0通り)

5は2+3に分解できる(1通り)

6は…1+5,2+4,3+3は駄目ですが、1+2+3という3つの連続する整数の和に分解できました♪(1通り)

7は3+4に分解できる(1通り)。

8は…0通りです

ここまでで、奇数は「●+(●+1)」という形に分解できるが、偶数は駄目なときもあると気づいたと思います。

さらにすすめると9は4+5(●+(●+1)の形)だけでなく、2+3+4という形にも分解できます(2通り!)が

10の場合は 「1+2+3+4」 の1通りしか無理ですね。

もっと先の15の場合…
「15=7+8」「15=4+5+6」と「 15=1+2+3+4+5」 の3通りに!分解できます。

結局…

分解できるのか、何通りに分解できるのか、規則性がイマイチ分かりませんね
(T_T)

これじゃあ100より大きい数を出題されたら、どうしようもありません。

これを実際に調べずに計算で出すにはどうすればよいか、考えてみましょう

分解する場合の数

まず、分解方法が何通りあるか(またはないか)を見分けられるようにします。

説明が長い(&後でもう1回読めます)ので「とにかく公式を使った解き方を知りたい!」人はジャンプして下さい

連続数の和に分解する仕組み

「連続する数の和」を数の個数で2種類に分ける。

1つは「6=1+2+3」のような奇数個のタイプ
もう1つは「10=1+2+3+4」のような偶数個のタイプ

奇数個タイプは「6=1+2+3」の1を増やす代わりに3を減らして「6=2+2+2」に変えると、6=2x3(2が3個)という素因数分解をもとにしているのに気づく。
同じように 20についても、奇数を使った因数分解20=4x5(4が5個) から 20=4+4+4+4+4 →20=2+3+4+5+6  と連続した奇数個の整数の和に分解できる。
このように奇数個タイプを作るには因数分解したときに奇数(1を除く)が必要と分かる

次に偶数個タイプは例えば「10=1+2+3+4」の4つの整数を「1と4」「2と3」の2つのペアにすると 10=(2+3)+(1+4) → 10=5+5 に変えることができて、これは10=5x2(5が2個) という素因数分解をもとにしていると分かる。
同じように38についても、38=19x2(19が2個) から38=19+19→38=(9+10)+(8+11)→38=9+10+11+12 と連続した偶数個の整数の和に分解できる。
ところが、8=4x2 のように素因数分解をしたときに奇数を含まない場合は、8=4+4 から4を連続した数のペアに分解できないので連続した数の和には分解できない。つまりペアの合計は必ず奇数にならないといけないので「奇数(1を除く)x偶数」という形に因数分解できる数でないと駄目と分かる

連続数の和に分解する2つの方法

●奇数個タイプ(6=1+2+3)
→元の数=○x奇数 の形に因数分解できる場合
(作成手順)6=2x3=2+2+2=1+2+3

●偶数個タイプ(10=1+2+3+4)
→元の数=奇数x偶数 の形に因数分解できる場合
(作成手順)10=5x2=5+5=(2+3)+(1+4)=1+2+3+4

このように奇数個タイプ、偶数個タイプともに奇数を含んだ因数分解をもとにしているので、連続した数の和に分解するには奇数の約数(1を除く)を持たないといけないことが分かった。

そして奇数の約数1つについてはXタイプかYタイプのどちらかのタイプにしか分解する方法が無いので、奇数の約数の個数(1を除く)だけ分解する方法があることになる。

公式化

上の説明を公式にすると、こうなります。

ある数が奇数の約数をN個もつとき、連続する整数の和に分解する方法もN通りある

逆から言うと、偶数の約数しか持たない数(素因数分解すると2しかない数)例えば2,4,8,16…は連続する整数の和に分解できません。

連続数の和に分解する方法

→ある数Aが奇数の約数(1を除く)を
N個持つ場合、「連続する数の和」に分解する方法もN通りある

(例1)15を「連続する数の和」に分解する方法
→奇数の約数(1を除く)は3,5,15の3個
→「連続数の和」に分解する方法も3通りある

(例2)8を「連続する数の和」に分解する方法
→奇数の約数が無いので0通り

この公式を頭に入れて問題を解いてみましょう

問題で定着

例題1
次の数を連続する整数の和に分解する方法は何通りあるか

(1)15
→15=3×5 で奇数の素因数が3が1つ,5が1つなので、奇数の約数は、3を1つ,5を1つを使って出来る数の個数(1+1)x(1+1)=4個(1,3,5,15)だが、この中には1が入っているので、1以外の奇数の約数は4-1=3個になり、連続する数の和に分解する方法も3通り
(実際の分解方法については次章にあります)

(2)90
→90=2x3x3x5 で奇数の素因数が3が2つ,5が1つなので、奇数の約数は、3を2つ,5を1つで出来る数の個数(2+1)x(1+1)=6個だが、この中には1が入っているので、1以外の奇数の約数は6-1=5個になり、連続する数の和に分解する方法も5通り
(実際の分解方法については下の次章にあります)

(3)270
→270=2x3x3x3x5 で奇数の素因数は3が3つ,5が1つなので奇数の約数は (3+1)x(1+1)=8個(1,3,5,9,15,27,45,135)、1を除くと7個なので、連続数の和に分解する方法も7通り

(2)128
→ =2x2x2x2x2x2x2 で偶数の約数しか無いので「連続する整数の和」に分解できず、0通り

例題2
1から500の整数のうち、連続する整数の和に分解できないものは何通りあるか

→1から500までの整数のうち、偶数の約数しか無い数(2のかけ算だけで出来る数)は2,4,8,16,32,64,128,256 の8個。また「1」も分解できないので、合計9個

分かりましたか?

分解の具体的な様子

次に、具体的にどのように分解できるかを実際に作れるようにします。

これを考えるには、連続する整数に分解する仕組みをもう一度説明します。「上で読んだ」「もう知ってる」という人はジャンプして下さい。

連続数の和に分解する仕組み(再)

「連続する数の和」をさらに2つに分ける。

1つは「6=1+2+3」のように奇数個の数の和(Xタイプ)
もう1つは「10=1+2+3+4」のような偶数個の数の和(Yタイプ)

Xタイプは「6=1+2+3」の1を増やす代わりに3を減らして「6=2+2+2」に変えると、6=2x3(2が3個)という素因数分解をもとにしているのに気づく。
同じように 20についても、奇数を使った因数分解20=4x5(4が5個) から 20=4+4+4+4+4 →20=2+3+4+5+6  と連続した奇数個の整数の和に分解できる。
このようにXタイプを作るには因数分解したときに奇数が無いと駄目と分かる

次にYタイプは「10=1+2+3+4」の4つの整数を「1と4」「2と3」の2つのペアにすると 10=(2+3)+(1+4) → 10=5+5 に変えることができて、これは10=5x2(5が2個) という素因数分解をもとにしていると分かる。
同じように38についても、38=2×19(19が2個) から38=19+19→38=(9+10)+(8+11)→38=9+10+11+12 と連続した偶数個の整数の和に分解できた
ところが、8=4×2 のように素因数分解をしたときに奇数を含まない場合は、8=4+4 から4を連続した数のペアに分解できないので連続した数の和には分解できない。つまりペアの合計は必ず奇数にならないといけないので「偶数x奇数」という形に因数分解できる数でないと駄目と分かる

このようにXタイプ、Yタイプともに奇数を含んだ因数分解をもとにしているので、連続した数の和に分解するには奇数の約数を持たないといけないことが分かった。

そして奇数の約数1つについてはXタイプかYタイプのどちらかのタイプにしか分解する方法が無いので、奇数の約数の個数だけ分解する方法があることになる。

分解の実際

つまり、ある数「A」が奇数の約数「K」を持つとき、A÷Kが平均(真ん中)のK個の連続する数の和(Xタイプ:1+2+3←2+2+2)かK÷2の隣の整数2つが真ん中の偶数個の連続する数の和(Yタイプ:1+2+3+4←(2+3)+(1+4)←5+5)のどちらかに分解できる

まずXタイプで分解できないか調べて駄目ならYタイプの分解を行います

30を実際に分解してみましょう。

例えば30=2x3x5の場合、奇数の約数は3,5,15の3つなので3通りに分解できると分かる

約数3についてXタイプを調べると
30÷3=10 → 30=10+10+10 →(左の10を1減らす代わりに右の10を1増やす)→ 30=9+10+11 に直せます。10を真ん中にした3個の連続数の和になっています。

約数5についてもXタイプを調べると
30÷5=6 → 30=6+6+6+6+6→(左端の6を2減らす代わりに右端の6を2増やし、左から2番目の6を1減らす代わりに右から2番目の6を1増やす)→30=4+5+6+7+8 に直せました。6を真ん中にした5個の連続数の和になっています

ところが、約数15については
30÷15=2 →30=2+2+…+2→2が真ん中の15個の連続する数は作れません。つまりXタイプは無理なので、Yタイプを調べます。
Xタイプでは2を15個(2×15)と考えましたが、Yタイプでは和が15のペア2組を合計する(15×2)と考えます。
まず和が15になる連続する数のペアを考えると7と8(15÷2=7.5の両隣の数)で30=(15)+(15)→30=(7+8)+(15)と直せました。もうひとつの15は7,8を真ん中にする連続する数を作りたいので6と9です。これで30=(15)+(15)→30=(7+8)+(6+9)=30=6+7+8+9 に直せました。

以上より、30を連続する整数の和に分解すると奇数個の和(Xタイプ)「30=9+10+11」「30=4+5+6+7+8」2通りと偶数個の和(Yタイプ)「30=6+7+8+9」1通りの合計3通りに直せます。

問題で定着

では練習問題をどうぞ

例題
次の数を連続する整数の和に分解する方法を全て書きなさい

(1)15
15=3×5 で1を除く奇数の約数は3,5,15の3個なので分解方法も3通り。それぞれについて奇数個の合計タイプ→偶数個の合計タイプの順に調べる

約数3について
15=5x3=5+5+5=「4+5+6」(奇数個タイプ)

約数5について
15=3x5=3+3+3+3+3=「1+2+3+4+5」(奇数個タイプ)

約数15について
15=1x15=1+1+1+…+1で奇数個タイプは無理!…15=15×1(和が15のペアが1つ)=(15)=(7+8)=「7+8」偶数個タイプが出来た♪

以上より、奇数個タイプが「4+5+6」「1+2+3+4+5」の2通り、偶数個タイプが「7+8」の1通り、合計して3通り

(2)90
90=2x3x3x5 で1を除く奇数の約数は3,5,9,15,45の5通り。

約数3について
90=30×3=30+30+30=29+30+31(奇数個タイプ)

約数5について
90=18×5=18+18+18+18+18=16+17+18+19+20(奇数個タイプ)

約数9について
90=10×9=10+10+10+10+10+10+10+10+10=6+7+8+9+10+11+12+13+14(奇数個タイプ)

約数15について
90=6×15=6+6+6+…+6で奇数個タイプは無理!…90=15×6(和が15のペアが6つ)=(15)+(15)+(15)+(15)+(15)+(15)=(7+8)+(6+9)+(5+10)+(4+11)+(3+12)+(2+13)=2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13。偶数個タイプが出来た♪

約数45について
90=2×45(2が45個) Xタイプは無理そう
90=45×2(和が45のペアが2つ)=(45)+(45)=(22+23)+(21+24)=21+22+23+24。Yタイプが出来た

以上より「29+30+31」「16+17+18+19+20」「6+7+8+9+10+11+12+13+14」「2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13」「21+22+23+24」の5種類

わかりましたか?

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