「場合の数、特に数字カードを使った問題が苦手…」という中学受験生の方へ。
数字カードを使った問題は出題されることも多いので得意になっておきたい。
この記事は東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が数字カードを使った問題を分かりやすく解説します
記事を読んで真似すれば、数字カードの問題が苦手では無くなっているでしょう
場合の数の基本ルール(復習)
数字カードの問題は「場合の数」の一つなので、場合の数の基本ルールを完璧にしておくのが望ましい
詳しくは「場合の数の基本ルール」を見て下さい。
数字カードのえらび方の問題
基本
和指定
「1から9まで書かれた数字カード9枚から和が7になるようなカードを2枚選べ」など
規則正しく数え上げていくと、(1,6)(2,5)(3,4)の3通り
「1から5まで書かれた数字カード9枚から和が3の倍数になるものを3枚選ぶ」だと(1,2,3)(1,3,5)(2,3,4)の3通り。これは「整数を作る問題」の「3の倍数を作る問題」で使います。
積指定
「1から6まで書かれた数字カードから積が6の倍数になるようなカードを2枚選べ」など
これも規則正しく数えていくと(1,6)(2,3)(2,6)(3,4)(3,6)(4,6)(5,6)の7通り。
「1から6まで書かれた数字カードから積が奇数になるようなカードを2枚選べ」のように偶数・奇数が条件の場合、かけ算の中に一つでも偶数が交じると答えも偶数になるのに注意します。
よって積が奇数になるには「1」「3」「5」だけでかけ算を作らないといけないので(1,3)(1,5)(3,5)の3通りと分かります。
「積が偶数になる」という条件の場合は、6枚のカードから2枚えらんで出来る組み合わせの合計(5+4+3+2+1=)15通りから奇数だけでできる3通りを引いて12通りと求めます。
カードのならべ方
(整数を作る問題)
数字カードを選んで並べ替えることで整数を作ります。「1」と「3」を選んでも、順番によって「31」「13」二種類の整数が出来ます。
単純なパターン
「1から5の数字カードから3枚えらんで3ケタの整数を作る」などの問題は5個から3個えらんで並びかえるだけなので「選んで並べかえる公式」そのままで5×4×3=60 通りと解けますが、樹形図も書いてみます。
((樹形図))
整数を作る時は(百)(十)(一)と位を項目として必ず書きましょう。
「0」カードがある場合
「0から5の数字カードから3枚えらんで3ケタの整数を作る」のように「0」がある場合は要注意です。
百の位には「0」が来れないので5通り、十の位には百の位で使った数以外の5通り…と考えると5×5×4=100通りと分かりますが、慣れるまでは樹形図を書いて確かめましょう。
((樹形図))
ダブりのカードがある場合
同じ数のカードが2枚以上ある場合は単純な計算で求めるのは難しいです。サッと樹形図を書いて調べましょう。
「1,1,2,3,4」から3枚選んで3ケタの整数を作る場合はこうなります。
((樹形図))
これに「0」のカードが入ってくるとややこしくなるので落ち着いて調べましょう。
偶数・奇数を作る
偶数か奇数かは一の位で決まるので、まず一の位から考えます。
例えば「1から5の数字カード5枚から3枚えらんで3ケタの偶数を作る」場合は、まず一の位に来るのは2か4の2通り、百の位は一の位に使った数以外の4通り、十の位にくるのは残りの3通りなので2×4×3=24通りです。
この場合も「0」のカードが入ると面倒くさくなります。樹形図を書いて調べましょう。樹形図の項目は(百)(十)(一)ではなく(一)(百)(十)とします。
「0から5の数字カード6枚から3枚えらんで3ケタの偶数を作る」場合はこうなります。
((樹形図))
中学受験生は4年生のうちに書けるようにしておきましょう。
3の倍数を作る
3の倍数になる条件は「各位の和が3の倍数になる」なので、数の並べ替えをする前に「各位の和が3の倍数になる」組み合わせを選ばないといけません。
従って2ステップで解くことになります。
①和が3の倍数になる組み合わせを選ぶ
②選んだ組み合わせそれぞれで整数を作って合計
「1から5の数字カード5枚から3枚えらんで3ケタの3の倍数を作る」場合はこうなります。
①1から5の数字カード5枚のうち、和が3の倍数になる3つの数の組み合わせは(1,2,3)(1,3,5)(2,3,4)(3,4,5)の4つです。
②4つの組み合わせはそれぞれ並べ替えで3×2×1=6通りの整数ができるので、6通り×4つの組み合わせ=24通りです。
0が入ると多少面倒くさくなりますが、はじめの2つか3つの組み合わせを試すと後は数えなくても予想ができます。
「0から4の数字カード5枚から3枚えらんで3ケタの3の倍数を作る」場合はこうなります。
①和が3の倍数になる3つの数の組み合わせは(0,1,2)(0,2,4)(1,2,3)(2,3,4)の4つです。
②(1,2,3)(2,3,4)は3数の並べ替えで3×2×1=6通りの整数が作れますが、(0,1,2)(0,2,4)は0があるので2×2×1=4つしか整数を作れません。合計すると6+6+4+4=20通りです。
6の倍数を作る
6の倍数は2の倍数(一の位が偶数)と3の倍数(各位の和が3の倍数)の2つの条件を満たさないといけません。
問題を解く時は2ステップで解きます。
①和が3の倍数になる組み合わせを選ぶ
②選んだ組み合わせそれぞれで偶数を作って合計
「0から4の数字カード5枚から3枚えらんで3ケタの6の倍数を作る」場合はこうなります。
①和が3の倍数になる3つの数の組み合わせは(0,1,2)(0,2,4)(1,2,3)(2,3,4)の4つです。
②4つの組み合わせそれぞれで出来る偶数を数え上げます。(0,1,2)で出来る偶数は「102」「120」「210」の3つ、(0,2,4)で出来る偶数は「204」「240」「402」「420」の4つ、(1,2,3)で出来る偶数は「132」「312」の2つ、(2,3,4)で出来る偶数は「234」「324」「342」「432」の4つ、これらを合計すると3424=13通りです。
いや~面倒くさいですね(汗)
小数を作る問題
小数点のカードが混じっている場合、小数も作れます。
関連記事「小数の応用問題」中の「小数点のあるカードの並べ替え」を見て下さい。
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