小数の応用問題を解きたい」という中学受験生の方、おまかせ下さい。
東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が問題と分かりやすい解説を用意しました!
小数点移動の覆面算(受験小4)
ある分からない数Aとその小数点を移動してできる数Bで作る計算結果からAを当てる問題。
1-1:小数の覆面算
解説
ある数Aは何ケタの数か分かりませんが、小数点があるのは確かなので一番簡単に思いつく小数点1ケタと整数1ケタの「a.b」としてみると、Bは「0.ab」でA-Bはこんな感じになります。
-0.ab
x.yz
「0.ab」になり、引き算の答えは
小数第ニ位までになる
A-Bの答えは小数点第二位までの数になるので、いい感じです♪
試しにAを小数点第二位までの「a.bc」にしてみると、引き算の答えが小数第三位までになってしまうのでダメです
-0.abc
w.xyz
小数第三位まで出てしまう
またAに小数点がない「a」にしてみると、引き算の答えは小数点第一位までなので、やはりダメです。
-0.a
x.y
小数第一位までにしかならない
このように、Aを「a.b」とおくのが一番良い感じなので、引き算の答えを1.35にして筆算を書き、観察します。
-0.ab
1.35
小数第二位での引き算は、小数第一位から繰り下がりで10-b=5という計算になっているので、b=5と分かります。
そして、b=5に書き変えて観察すると、小数第一位での引き算は、bが小数第ニ位への繰り下げで5-1=4になっているので、4-a=3という計算になり、a=1と分かります。
-0.ab
1.35
観察してb=5
-0.a5
1.35
観察してa=1
-0.15
1.35
1.35と確認
以上よりAは「1.5」と分かりました。
確認テストをどうぞ
ある数Aの小数点を左に1ケタ動かした数をBとします。A-B=2.43 のとき、もとの数Aはいくつですか?
→( 2.7 )
小数点を2ケタ動かすとどうなるでしょうか?
Bは「0.0ab」になり、A-Bの答えは小数点第三位までの数になるので、いい感じです。
-0.0ab
w.xyz
「0.0ab」になり、引き算の答えは
小数第三位までになる
試しにAを小数点第二位までにしてみると、引き算の答えが小数第三位までになってしまうのでダメです。
またAに小数点がない「a」のような場合も、引き算の答えは小数点第一位までなので、やはりダメです。
-0.abc
w.xyz
引き算の答えが
小数第三位まで
出てしまう
-0.a
x.y
引き算の答えが
小数第一位まで
にしかならない
-0.ab
1.35
b=5と分かる
小数第二位での引き算は、小数第一位から繰り下がりで10-b=5という計算になっているので、b=5と分かります。
b=5に書き変えて観察すると、小数第一位での引き算は、bが小数第ニ位への繰り下げで5-1=4になっているので、4-a=3という計算になっているので、a=1と分かります。
-0.a5
1.35
観察するとa=1と分かる
以上よりAは「1.5」と分かりました。
-0.15
1.35
1.35になるのを確認
確認テストをどうぞ
ある数Aの小数点を左に2ケタ動かした数をBとします。A-B=6.831 のとき、もとの数Aはいくつですか
→( 6.9 )
カードで数を作る問題(受験小4)
「場合の数(→まとめページ)」の問題の一つです。数字と小数点が書いてあるカードを並べ替えて小数を作る問題を考えます。
2-1:小数点を含むカードの並び替え
「場合の数」の順列の問題です。「樹形図」を書くと良いでしょう。
4枚のカードを並べる場所を「A」「B」「C」「D」とします。
カードの並べ方を「樹形図」で調べます。スペースの上に「項目(この場合は置く場所の名前)」を書いたら、まずAに置くカードを小さい順に書きます(小数点は置けませんね)。
次に1に続いてBに置くカードを書きます。今度は小数点も使えるので、小数点から小さい順に書きます。
さらに「1」「.」の次にC・Dに置くカードを書きます。これで一番小さい数「1.23」と二番目に小さい数「1.32」が出来ました。
さっきの続きを書いて「1」で始まる数を全部書くと4つありました。
「2」で始まる数の樹形図も同じ形になるだろうと予想して省略し「4つ」とだけ書きます。
「3」で始まる数も4つあるはずですね。
(ここでは小問3に備えて書いている)
全部で4×3で12個です。
さっきの樹形図で「3」で始まる数は全部書きだしておいたので、一番大きい数は「32.1」と分かりました。
一番大きい「32.1」と一番小さい「1.23」の差なので、32.1-1.23=30.87です。
練習問題
作成中です(2021.7.27)
循環小数の問題(受験小4)
1/3を分数に直すと1÷3=0.333…と3がずっと続きます。また17を小数に直すと1÷7=0.142857142857…と「142857」という6個の数字が繰り返し並びます。
このような数を「循環小数」と呼び、連続する数字の上に点をつけて「0.3」のように表します。
→同じ数字の列が繰り返し並ぶ小数
連続する数字の上に点を付けて表す
(例)「0.3333…」→「0.3」
(例)「1.232323…」→「1.23」
(例)「0.142857142857…」→「0.142857」
循環小数の周期算
循環小数の数の並びは決まったパターンが繰り返し出てくるので「周期算」の問題になります。
確認テストをどうぞ
1÷7を計算をした時、小数第32位の数字は何ですか?
→( 1÷7=0.142857142857…でこれは1周期に6個の数を含む数の並びになっている。)
→( 32番目の数は、32÷6=5…2なので5周期の後の2個目、つまり6周期の2番目の数「4」と分かる。)
周期算をじっくり学びたい・解きたい人は関連記事「周期算」を見て下さい。
循環小数を分数に直す
反対に、循環小数を分数に直す問題もあります。
2-1:循環小数を分数に
ヒント
どこまでも続く「1」を一気に消します
(解答)
「0.1」は「0.1111…」 と「1」がどこまでも続きます。このどこまでも続く部分を消すために「0.1」を10倍した数を考えると「1.1111…」になります。
もとの数「0.1」をA,10倍した数をBとして、AとBを縦に並べてみるとこうなります。
B=1.111111111111111…
A=0.111111111111111…
ここで、B-Aをすると…
-)A=0.11111111…
B-A=1.00000000…
あの無限に続いていた「1」が1つを残して全滅!!してしまいました。ちょっと可愛そうな気もしますね…
とにかく、B-A=1 ということが分かりました!
そしてBはAを10倍したものつまり「Ax10」なので、B-A=Ax10-A=A×9 ですね。
ということは、B-A=A×9=1 になります。
これでAが分かりますね。
A×9=1 を逆算して、A=1÷9=19と分かりました!
気持ち良い解き方ですね…よね?興味がある人は練習して下さい
もう少し練習してみましょう
2-2:循環小数を分数に
ヒント
続く部分を消すには何倍すればよいか、考えましょう!
解説
もとの数「0.3」をA、10倍した数をBとして、B-Aをすると…
–)B=12.323232323…
–)A=11.23232323…
B-A=11. アレ?1
後ろの「232323…」が消えませんね!困りました。
試しに100倍してみましょう。もとの数「0.3」をA、100倍した数をCとして、AとCを小数点をそろえて縦に並べてみるとこうなります。
C=123.23232323…
A=121.23232323…
ここで、C-Aをすると…
–)C=123.23232323…
–)A=121.23232323…
C-A=122 消えた♪1
後ろの「232323…」が消えました。10倍では「ずらし方」が足りなかったということです。
ともかくC-A=A×100-A×1=A×99=122ということが分かりました!
A×99=122 を逆算して、A=122÷99=12299=12399です!!(汚い答えになってしまいました…)
確認テストをどうぞ
「0.3」を分数に直しなさい
→「0.3」をA、10倍した数をBとして、B-Aをすると…
B-A=A×9=3 と分かるので、A×9=3 を逆算して、A=3÷9=39=13
–)B=3.3333333…
–)A=0.3333333…
B-A=31
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