「植木算の難しい応用問題を解きたい!」という頼もしい中学受験生の方、まかせて下さい!東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が色んなパターンの応用問題を分かりやすく解説します。
目次で「プリントダウンロード」など好きな箇所をクリックするとジャンプできますよ!
0.応用の準備!
植木算の基本を確認
こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。
植木算の応用問題を解く前に、簡単に植木算の確認です。
植木算の公式の体系
一般に植木算の公式としては「木の数と間の数」が挙げられています。
しかし当サイトでは、実際に問題を解くという見地から「木の数と間の数」だけでなく「間の公式」を含めて(広義の)植木算の公式としています。図にするとこうなります。
植木算の図の書き方のルール
上記公式に出てきた数値をできるだけもれなく図に盛り込んで、情報の集約・思考促進ツールとします。書き方の例はコチラ
道のり、間の数、間隔、木の数を図に書き込みます。
実際は白黒なので、こんな感じですね
色なしでも、最低限の情報を盛り込む
自信がない人は「植木算の総合案内」に目を通すことをすすめます。
(番外編)
テープやリングをつなぐ問題
実は、当サイトでは「テープをのりしろでつなぐ」「リングをつなぐ」「掲示板に紙を並べて貼る」問題は植木算ではなく等差数列に類似した考え方で解説しております。
関連記事「テープをつなぐ問題」を見て下さい。
木と木の間にも植える
(二次植木算)
考え方のポイント
初めに取り上げる植木算の応用問題は、木と木の間に、さらに一定間隔で花などを植える問題です(「二次植木算」としました)。
木と木の間に植える時は、両端に木がありますので「両端に植えない」パターンになる事に気をつけます。
解き方を理解
では、例題を見てみましょう!
例題1(二次植木算)
簡単な図を書きながら解きましょう
まず、木が立っている様子を図に書くと、
間の数=48÷6=8個(両端に植えるので木の数は+1で9本)
そして、木と木の間は1mおきにさらに小さな間に分けられます。
ここで、小さな間の数〔〔?〕〕は6÷1=6個になり
旗は「両端に植えない」立て方になるので、旗の数?=6-1=5本になります。
もう一度全体を見ると(大きな)間が8個あり、それぞれの中に旗が5本づつ立つので、
旗の数は全部で5×8=40本と分かります
答: 40本
類題で練習!
解き方は分かりましたか?類題で練習して下さい。
類題1-1(二次植木算の練習)
まず、柱の間は48m÷16mおき=3個できる。
そして、間の中に(小さな)間が16m÷2mおき=8個できるが,両端に植えないので木は8-1=7本
木は8-1=7本植えられる。
よって、合計では7本×3個=になる
21本
類題1-2(二次植木算の練習)
まず間の数を求めると、200m÷10mおき=20個(ちなみに円周上の植木なので桜の数も20本)
次に、桜の間一つに植えるツツジの本数を求めると、ツツジは合計80本なので桜の間一つにつき、ツツジは80本÷20個=4本植えると分かる。
さらに、ツツジは「両端に植えない」ので、ツツジの(小さな)間の数は4+1=5個。
よって、ツツジの間隔は10÷5=2mおきと分かる
答: 2m
規則的に発生するイベント
(時間の植木算)
考え方のポイント
時間の流れの中に、アラームが鳴る・バスが発車する等のイベントが規則的に配置されている問題です。時間の直線(時直線)上にイベントを書いていくのがポイントです。
例題を見てみましょう。
解き方を理解
例題2(時間の植木算)
●例題2-(1)
ちょうど1時間後に鳴った音はスタート音から数えて何回目の音でしょうか?
時間経過の問題では、時間直線に数値を書き込んでいきます。
この問題の場合は、図はこんな感じになります。
「間の公式」と対照すると、音=木、音の間隔=間隔、合計時間=道のり になります。
さて、1時間=60分の間に6分の間隔は60÷6=10個あり、音は「両端で」鳴ります。
これは「両端に植える」パターンですから、
60分後の音?は10+1=11番目と分かります
11番目
●例題2-(2)
19回目の音が鳴るのは何時間何分後でしょうか?
音が19回鳴り、「両端に植える」パターンなので、
間は19-1で18個あると分かります。
従って、経過時間は
道のりの公式で6(間隔)×18(間の数)=108分
=1時間48分と分かります。
1時間48分後
時間直線を使えば簡単ですね。類題で練習して下さい。
類題で練習!
類題2(時間の植木算)
まず、一階を登るのにかかる時間を求めましょう
●2(1)
1階から60階まで登るのに何分何秒かかるか
まず、一階を登るのにかかる時間を求めます
1階から7階までは階差が6コで2分=120秒かかっているので、一階を登るのにかかる時間=120秒÷6=20秒と分かります。
次に、60階までの時間を求めます
1階から60階までは階差が59なので、
かかる時間=一階分の時間(20秒)×階差(59階)=1180秒=19分40秒と分かります(なんつー高いビルやw)
19分40秒
●2(2)
今、友達は何階にいるか?
ここでは、階差(間の数)を使って階数を求めています。このような番号付きの植木算は「番号付き植木算の解き方」で扱っています。
ポイントは、割り算かけ算の計算で求めるのは「階差」=「間の数」で、「階番号」=「木の数」ではないことです。
単位を秒に直すと、6分20秒=380秒
階差=時間(380)÷一階分の時間(20)で19階差なので、友達がいる階番号は、私がいる階番号60-階差19=41階と分かります。
41階
一面に植える
(面の植木算)
考え方のポイント
植木算の応用問題の三番目は、長方形等の土地一面に植樹する問題(「面の植木算」)です。
「横方向に植える本数」と「縦方向に植える本数」をそれぞれ求め、それらをかけ合わせます。
「土地の端にも木を植えるのか」を問題からきちんと読み取りましょう。端にも植えるなら 木=間+1、植えないなら 木=間-1 です。
解き方を理解♪
例題3(面の植木算)
まず、横方向に何本の木が並ぶか計算します。
横方向の間の数は720÷80=9個になり…
この問題では、長方形の端を空ける=「両端に植えない」ので、横方向の木の数?は9-1=8本と分かります。
次に、縦方向に何本の木が並ぶか計算します。
縦方向の間の数は480÷80=6個 です。
そして横と同様に「両端に植えない」ので、縦方向の木の数?は 6-1=5本と分かります。
分かりましたね?では、類題で練習です。
類題で練習!
類題3(面の植木算)
両端に植えるか植えないかを考えましょう
まず、横方向の間の数は240÷40=6個。「両端に植える」ので横方向に並ぶ花の数は6+1=7本。
↓
次に、縦方向の間の数は440÷40=11個。「両端に植える」ので縦方向に並ぶ花の数は11+1=12本。
↓
花の数は全部で7×12=84本と分かります
答: 84本
まとめとプリントダウンロード
オススメ教材
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