「植木算って何?どうやるの?」「中学受験するならやっておいた方がいいの?」という小学三年生や「植木算が意外と難しい…」とお悩みの保護者の方へ。
植木算は受験算数の最初の方に出てくる単元ですが、実は結構難しいのです…なぜなら、植木算では「木」ではなく「間」の計算もしないと答えがでないので、「間」の計算と「木」の計算をまとめて理解しないといけないから。意外と「大きな」単元なのです
でも大丈夫!東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が植木算の全てを分かりやすくまとめます。この記事を読めばあなたは「植木算博士」ですよ♪
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植木算の学習方法
植木算は「間の数」と「間の数と木の数」の2つの公式を組み合わせて解きます。
しかも、メインの計算(かけ算割り算)で使うのは「間の数」です。
ですから、まず「間の数」の公式、次に「植木算」という2ステップで教えると分かりやすい。
教え方を詳しく知りたい人は「植木算の教え方」を見て下さい
間(あいだ)の数
実は植木算では間(あいだ)の数の計算がメインです。そこで、植木算の前に「間の数」の公式を使えるようにしておくのが非常に大切です。
ためしに問題をどうぞ
10mの道を2mの間かくで区切ると間の数はいくつか?
→( 10÷2=5個 )
3mの間かく7個に区切られている道の長さは?
→( 3×7=21m )
54mの道を9個に区切ると間かくの長さは?
→( 54÷9=6m )
「木」が出てきても、「間」の方が大事なのを忘れずに!
もっと詳しい説明を読みたい人は参考記事「間の数」を見てください。
プリント
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植木算の基本
図の書き方
植木算では「木の数」だけでなく「間の数」「道のり」「間かく」の合計4種類の数字を書いていきます。
間の数と木の数(狭義の植木算)
木の植え方によって「間の数」と「木の数」の関係が変わります。基本的には次の3通り。
問題を読んだり図を書いたら「直線(両端あり)」「直線(両端なし)」「円周」3つのどれかを考えます。
直線上の植木算
まっすぐな道に植える場合、両端に植えると木の数が1つ多くなり、両端に植えないと木の数が1つ少なくなる。
「両端」と「両側」の違い
道を横から見たときの「はじめと終わり」を「両端」と呼びます。一方「両側」は道の上にいる人から見て「左右両側」です。
問題に「両側」と書いていない場合は「片側」つまり「左右のどちらか」にだけ木が並んでいます。
テストで確認してみましょう
木を9mの間隔で道の両端にも植えたら10本必要。道の長さは何mか?
→( 両端に植えるので木の数が多い。間の数=10-1=9個。道のり=9×9=81m )
33mの道に10本の木を植える。両端には植えない時、何mおきに植えればよいか
→( 両端に植えないので間の数が多い。間の数=10+1=11個。間かく=33÷11=3m )
20mの道の端から端までに2mおきに木を植えると全部で何本か
→( 両端に植えるので木の数が多い。間の数=20÷2=10個。木の数=10+1=11本 )
100mの道の両側に5mおきに旗を立てる。スタートとゴールには旗ではなくゲートを立てるとき、旗は全部で何本必要か?
→( まず片側を考えると、間の数は100÷5=20個、両端に立てないので旗の数は19個。これが左右両側にあるので旗は全部で19×2=38個 )
もっと詳しい説明を読みたい人は参考記事「直線上にならべた植木」を見てください。
問題&解答プリント
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円周上の植木
木を円周上に植える場合、間の数と木の数は同じなので、単純に解くことができます。
試しに問題を解いてみましょう
池の周りに8本の木を等間隔に植えたらちょうど3mおきになった。一周は何mか?
→( 間隔は木と同じく8個。道のり=3×8=24m )
一周48mの円周上の道に4mおきに木を植えるのに何本必要か
→( 間かくは48÷4=12個。木の数も同じく12個 )
さらに詳しい説明を読みたい人は参考記事「円周上にならべた植木」を見てください。
問題&解答プリント
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総合問題
ここまでの全知識を総動員して解きましょう。
解答プリント
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植木算の応用問題
ここから植木算の応用問題を紹介します
二次植木算
木と木の間に、さらに木を植える場合です。まず基本の植木算で間かくを出した後、もう一回植木算をおこないます。
ポイントは、二回目の植木算が「両端に植えない」パターンになることです。
ためしに解いてみましょう
48mの道の端から端まで16mおきに柱を立て、柱の間には2mおきに木を植える。木は全部で何本か
→( 柱の間が48÷16=3個できて、一つの間がさらに16÷2=8個に区切られて、両端に植えないパターンなので7本の木が植えられる。木の数は合計で7×3=21本 )
詳しい説明を読みたい人は参考記事「二次植木算」を見てください。
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時間の植木算
「タイマーの音が鳴る」のように、一定時間おきにイベントが起きる問題です。
確認テスト(作成中)
さらに詳しい説明を読みたい人は「時間の植木算」を見てください。
問題&解答プリント
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面の植木算
縦・横に木を植える場合です。タテ・ヨコの本数を出してそれをかけ合わせます。
確認テスト(作成中)
さらに詳しい説明を読みたい人は参考記事「面の植木算」を見てください。
問題&解答プリント
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番号付き植木
木に番号がついている問題です。計算は2つの木の番号の差=「番差」で行うのがコツです。
確認テストを解いてみましょう
98mの道の端から端まで等間隔に50本の木が植えてあり1番から50番までの番号がふってある。
14番の木と62m離れているのは何番の木か?
→( まず間隔を出すと、両端に植えるので木が間より多く、間は全部で50-1=49個で間隔は98÷49=2m )
→( 62m離れた木までの間の数は62÷2=31=番差なので、14+31=45番の木 )
10番の木と68番の木は何m離れているか?
→( 2つの木の番差は68-10=58=間の数なので、道のり=2×58=116m )
問題&解答プリント
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幅がある植木算
1mの幅がある花壇を3mおきに設置するように幅があるものを一定間隔で置いていく問題です。
(例題1:道幅が分からない)
1m幅の花壇を3mおきに10個設置すると、花壇の端から端まで何mになるか
花壇が10個で1×10=10m、間の数は「両端に植えるパターン」なので10-1=9個で、間の長さの合計は3×9=27m
花壇と間の数の長さの合計は10m+27m=37m
(例題2:間かくが分からない)25mの道の端から端まで幅1mの花壇を5個ひとしい間隔に並べたい。何mおきに並べれば良いか?
花壇5個の幅の合計は1×5=5m。道の長さ25-5=20mが間の長さの合計になる。
間の数は5-1=4個なので、一つの間は20÷4=5m
(例題3:花壇の幅が分からない)
(例題3:花壇の個数が分からない)
「幅のある植木算」
時間の植木算と混ぜると、50分授業を受けたら10分休憩する、のよな作業の合間に休憩をはさむような問題になります
(2021.2.15作成中)
テープ等をつなぐ問題
テープつなぎ
同じ長さの紙テープを同じ長さの「のりしろ」でつないでいく問題です。植木算ではなく等差数列風に解くのがラクです。
問題を解いてみましょう
12cmのテープを3cmの「のりしろ」で8枚つなぐと何cmになるか?
→( 2枚目からは12-3=9cmになり、これが8-1=7枚あるので、12+9×7=75cm )
上と同じテープとのりしろでつないだら111cmになった。何枚のテープをつないだか?
→( 111cmから1枚目をテープを除いた長さは111-12=99cmで、これは2枚目からのテープの99÷9=11枚分と分かる。テープは全部で1+11=12枚 )
リングつなぎ
リングをつなぐ場合はリングの太さの2倍をのりしろと考えて同様に解きます。
問題を解いてみましょう♪
10cmの大きさで太さが5mmのリングを20個つなぐと何cmになるか?
→( 5mm×2=10mm=1cmがのりしろになるので、2個めからのリングの長さは10-1=9cmになり、これが20-1=19個あるので、全部で10+(9×19)=181cmになる。 )
さらに詳しい説明を読みたい人は参考記事「植木算の応用」内の「テープつなぎの問題」を見てください。
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植木算のまとめは以上です。お疲れさまでした!
植木算は「規則性」という分野の二番目です。植木算を制覇した人は「数列」に進んでみましょう!また「方陣算」も同じ分野の応用です。
おすすめ教材

●植木算だけをたくさん解きたいなら「植木算」(サイパーシリーズ)
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保管セクション
2020.10.4
現在サイト更新作業中です。お見苦しい点がありますがご容赦下さい。
(間の公式)
❶道のり(m)=間かく(mおき)×間の数(個)
❷間の数(個)=道のり(m)÷間かく(mおき)
❸間かく(mおき)=道のり(m)÷間の数(個)
**********
4種類の数字が書いてあります
—
◆「植木」と「間の数」の関係
◇両端に植えると「木」が1つ多い
◇〃 植えないと「木」が1つ少ない
◆間の数の公式と組み合わせて問題を解く
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—
◆木と木の間にさらに木を植える場合
→「両端に植えない」パターンになる
→「木」は間より1少なくなる
(例)木の間12mにさらに2m間かくで旗を立てる
→間の数=12÷2=6個。旗の数=6-1=5本
→それぞれの間には5本の旗が立つ
—
時間直線上にイベント(音が鳴る等)を「植えて」いく
(例)10秒おきに音が鳴るタイマーで、開始時を入れて15回目の音
→間隔が15-1=14個。
時間は10×14=140秒後=2分20秒後
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●「番号」ではなく「番号差」を使う。
「番号差」=「番目」-1
(例)左から2番の木から数えて3番目の木の番号は?
→「3番目」=2番差なので、2番+2番差=4番目
●間の数の計算にも「番号差」(=間の数)を使う。
(例)間隔が2mの時、1番の木と4番の木の距離?
→「番号差」=4-1=3(=間の数)
→道のり=間かく×間の数=2×3=6m
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●AcmのテープをBcmの「のりしろ」でつなぐ
→1枚目はAcm、2枚目以降は(A-B)cm
(例)10cmのテープを2cmの「のりしろ」でつなげる
→2枚目以降は10-2=8cm 10+8+8+…
(例)10cmのテープをのりしろ2cmで30枚つなぐ
→1枚目は10cm,2枚目以降の29枚は8cm。
→合計は10+8×29=242cm
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◆リングの太さ2個分が「のりしろ」になる
(例)8cmの大きさで太さが1cmのリングをつなげる
→最初の1個は8cm,2個目以降は8-2=6cm
(例)上のリングを12個つなげると何cm?
→最初の1個は8cm,2個目以降の11個は6cm
→長さは 8+(6×11)=74cm
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ここまで保管セクション