「石を三角形に並べる問題が苦手…」という中学受験生の方へ。
ルールがあったのは覚えているけど、ハッキリ思い出せないのでしょうね。
この機会にルールをきちんと憶えてしまいましょう!
この記事は、石を三角形に並べた「ピラミッド算」の考え方解き方を、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすく解説します。
記事を読んで真似すれば、もう苦手では無くなっているはずですよ!
三角形に石を積む
こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。
今回は石を三角形に並べます。丸太を積んでいるのを正面から見て、木の断面の年輪が見えているような?イメージです。三角形=ピラミッド
組体操で作るピラミッドのように石を三角形に積んでいきます。
石の段が積み上がっていくイメージ
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→
(一番下の石)
(石の合計)
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1個
1個
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2個
1+2=3個
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3個
1+2+3=6個
最下段の石の数
一番下の段の石の数は段数と同じになっているので、N段のピラミッドの最下段の石の数はN個です。
15段のピラミッドの最下段の石は何個?
→( 15個 )
石の合計
全部の合計
求め方
上で見たように、1、(1+2=)3、(1+2+3=)6…と増えていきます(この数を三角数という)が、これを計算で求めます。
N段のピラミッドの石の合計は、1+2+3+…N 個になり、これは等差数列の和と同じ考え方で、N×(N+1)÷2と計算できます。
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→
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●●○○○
●●●○○
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同じものをもう一つ付けると
4×5の長方形になる。
4×5の長方形の半分なので、
4×5÷2 で求められる。
等差数列の合計=(はじめの数+N番目の数)×N÷2 で、N団のピラミッドは「はじめの数」=1、「N番目の数」=N なので、(1+N)×N÷2 になります。ここでは覚えやすいようにN段のピラミッドの石の合計は N×(N+1)÷2 としておきます。
よく分からない人は「等差数列の和」を見て下さい。
→(1+2+3+…+N)個なので
等差数列の和の公式で(1+N)×N÷2
●図で考えて、N×(N+1)÷2 でも良い
(例)4段ピラミッド
4×(4+1)÷2=4×5÷2=10個
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→
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●●○○○
●●●○○
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15段ピラミッドの石の合計は?
→( 15×(15+1)÷2=120個 )
合計から段を求める
上と逆に、石の合計から段数を求めてみます。
実はこの問題は計算だけでは完璧には解けません。試行錯誤が必要になります。
1-1:ピラミッドの石の数から段数を求める
解説
ピラミッドがN段だとすると、1+2+…+N=(N+1)×N÷2=120になります。
(N+1)×N÷2=120から、(N+1)×N=240と分かります。
そして「(N+1)×N」は連続する2つの整数をかけたものなので、
「かけ合わせたら240になるような連続する2つの整数」を見つければ良いと分かります。
2ケタの数の平方数(11×11=121,12×12=144…19×19=361)を覚えていれば(→参考記事)、240に近い「15×15=225」を思い出して、240は225より大きいので「15×16が良さそうだな」と考えて、実際に15×16を筆算してみると240になりました♪
一方、2ケタの数の平方数を覚えていない場合でも「10×10=100」「20×20=400」で「240は100と400の間」というのは分かるので、10と20の間の15で「(N+1)×N」を作って試します。この場合は「15×16」を試します。
すると(偶然ですが)240になりました♪(もし筆算の結果が240より小さければ、今度は16×17を…大きければ14×15を…と240になるまで調べていきます。)
これでN=15、つまりピラミッドは15段と分かりました。
確認テストをどうぞ
三角形に石を詰めて並べたら276個だった。何段並べたか?
→( N段の合計N×(N+1)÷2=276なのでN×(N+1)=276×2=552になるようなNを探す )
→( 20×20=400、30×30=900、552はその間にあるので、まずは25×26を試してみると25×26=650で大きすぎるので、数を小さくしていく )
→( 24×25=600でまだ大きい。23×24=552で一致♪ )
→( N=23なので、23段 )
一段おきの合計
一段おきに(奇数段だけ)石を足していくと「平方数(四角数)」になります。
一段おきの石の合計は平方数になる
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1段
1個
(1×1)
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3段
1+3=
4個
(2×2)
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5段
1+3+5=
9個
(3×3)
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7段
1+3+5+7=
16個
(4×4)
たとえば5段ピラミッドの奇数段(1段と3段)の石●と偶数段の石●の合計を出します。
「5」は奇数としては「(5+1)÷2=3」番目なので、5段ピラミッドの奇数段の石●の数は「3」の平方数3×3=9個になります。そして偶数段の石●は全部の合計(5×6÷2=)15個から●9個を引いた数なので6個と分かります。
一応、公式にすると、Nが奇数の時、N段ピラミッドは奇数としては「(N+1)÷2」番目のピラミッドになっているので、N段ピラミッドの奇数段の合計は{(N+1)÷2}×{(N+1)÷2} 個 になりますが、おぼえるというよりも問題が解ければいいですよ。
奇数段は黒い石、偶数段は白い石で15段のピラミッドを作る時、黒い石は何個か?
→( 15段ピラミッドは奇数では(15+1)÷2=8番目のピラミッドなので、その奇数段(黒い石)の合計は8×8=64個 )
さっきの15段ピラミッドの白い石の個数は?
→( 15段ピラミッドの全部の石の合計は15×(15+1)÷2=120個で、黒い石が64個あるから、白い石は120-64=56個 )
奇数個だけのピラミッド
上の問題の「奇数個」だけのピラミッドも入試に出てきます。
一段おきの石の合計は平方数になる
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1段
1個
(1×1)
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2段
1+3=
4個
(2×2)
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3段
1+3+5=
9個
(3×3)
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4段
1+3+5+7=
16個
(4×4)
こちらは単純に「段数x段数」で石の合計を求めることができますね。
また、最下段の石の数は段数=Nとすると「N番目の奇数」で「Nx2-1」になります。例えば3段目は3番目の奇数なので3x2-1=5個になっているのが分かります。
1段目は1個、2段目は3個、3段目は5個、というように奇数個の石で8段のピラミッドを作る時、石は全部で何個か?
→( 8×8=64個 )
最下段の石が19個になっているピラミッドの石の数の合計は?
→( このピラミッドをN段とする、Nx2-1=19の逆算を解いて□=10(このピラミッドは10段)。よって石の合計は10×10=100個 )
最外周の石の数
ピラミッドの一番外に並んでいる石の数を答える問題
これは方陣と同じような「区切り」を考えれば良いですね。
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一つづつ組み合わせると
5-1=4個の石を含む「区切り」が3つできるので、
最外周の石は4×3=12
N段のピラミッドの最外周の石は (N-1)×3 と分かります。
15段ピラミッドの最外周の石の個数は?
→( (15-1)×3=42個 )
まとめの確認テスト
- N段ピラミッドの最底辺の石の個数=( N個 )
- N段ピラミッドの石の合計
=( N×(N+1)÷2 個 ) - N段ピラミッド(Nは奇数)の奇数段だけの石の合計
→Nは{(N+1)÷2}=M番目の奇数で
=( M×M 個 ) - N段のピラミッドの最外周の石の個数
=( (N-1)×3 個 ) - N段のピラミッドの最外周をもう一周増やすのに必要な石の数
=( (N+2)×3 個 )
オススメ教材
●方陣算だけを解きたい場合は「方陣算(基本)(応用)」(サイパー算数)が定評あり
●その他の単元を合わせて予習復習をしたい場合、「算数の基本問題」シリーズ(日能研)がオススメ(→教材の目次・比較ページ)
●小6受験生には「算数ベストチェック」(日能研)が薄くて良いですが、詳しい説明が欲しい人には「中学入試 塾技100(算数)」がオススメ(→教材の比較ページ)
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