中学受験】約数の個数の求め方は?素因数分解を活用すれば簡単です | そうちゃ式 受験算数(新1号館 数論/特殊算)

中学受験】約数の個数の求め方は?素因数分解を活用すれば簡単です

「約数が何個あるのかパッと出したい!」という中学受験生や中学生の方、おまかせ下さい!東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすく図解します!読み終わる頃には約数の個数が暗算で出せるようになりますよ♪

素因数分解が分からない人は参考記事「約数倍数のまとめ」内「素因数分解」を見て下さい。

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約数の個数を求めるには
書き出しだと限度がある!

こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。

約数の意味」では約数を「書き出し法」で求めました。覚えているか(知っているか)テストしてみましょう。

●復習例題

12の約数を「書き出し法」で求めなさい
ヒント

「A×B」の形に直せれば、AとBが約数です。

図解

12を2つの数のかけ算にすると「1×12」「2×6」「3×4」に直せます。
以上より12の約数は1,2,3,4,6,12の6つです。

6

このように書き出せば、どんな数でも約数の個数を求めることができます。

ただ…数が小さいうちは良いのですが、大きな数、例えば「1050」のような4ケタの数になったりすると…

1×1050
2×525
3×350
4×…
(+_+)ムリ!となります

ところが!ある方法を使えば、数え上げなくても約数の個数が分かってしまうのです!
例えば、1050でしたら、因数分解すると「2×3×5×5×7」になります。これを見て…2×2×3×2=24個!と3秒で分かってしまうのです

今回はその方法を練習をしましょう!

素因数分解を使う
約数の個数の求め方
(例:12の約数の個数)

素因数分解から約数の個数が分かるのは、約数は素因数から出来ているからです。

説明

12=2×2×3 を例に説明します(長いので興味がある人だけ読んで下さい。問題を解けるようになるのが最優先です)

[su_spoiler title=”長い説明を読む” style=”fancy” open=”no” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn pale”]

約数は素因数から出来ている…の?

最初に約数を6個と出した「12」を「二分解法」で12を素因数分解してみます。

12→2×6→2×2×3 または 12→3×4→2×2×3 でしたね。

これを見ると、12の約数は2,3はもちろん、4や2×2、6は2×3、12は2×2×3 と皆「2」と「3」でできているのが分かります

つまり、約数は素因数の組み合わせでできている?気がします!!
( ・`ω・´)

ただ…もう一つ約数がありますね?

1 です。

1を2や3からは作れないように見えます困った…
(^_^;)

1を作るには…

もう一度、12の素因数分解をみましょう

12=2×2×3です

この「2」「2」「3」を使ってかけ算で好きな数を作るというのを、2を赤い玉3で、3を青い玉に例えると、

●●自由に組み合わせると何通り作れるか,という問題と同じですね。

何通りでしょう?

●●


●●

で、5通り!そう思った人、惜しい!です

もうひとつ、(何も無し)というのがあります。

「自由に」はそういう意味でした
(^_^;)

コレを表にすると、こうなります。

の要素(→)
の要素(↓)
無し
無し (何も無し) ●●
●●

つまり、は3パターン、は2パターン

それをかけ合わせて3×2=6 なので 6通りある、という仕組みです。

ここで、話を素因数分解に戻します。

今の表のを「2」「3」にするとどうなるでしょうか?
は2,は2×2、は3 これは良いですね?
問題は「無し」です。

2の要素(→)
3の要素(↓)
??? 2 2×2
???
3

ここで、因数分解の時に、いつも仲間はずれにされていたカワイソウな数字1の出番です!

かけ算では、1はあってもなくても同じ数字なので、「無し」の代わりに1を使いましょう。

表を書くと、こうなります

2の要素(→)
3の要素(↓)
1 2 2×2
1 1×11 1×22 1×2×24
3 3×13 3×26 3×2×212

12=2×2×3 から
「2」が2個なので「2」は2+1=3パターン
「3」が1個なので「3」は1+1=2パターン
(無しの「1」の分が+1されます)
3パターン×2パターン=全部で6パターン になります

これで、12の素因数分解「2×2×3」から12の約数を6個導くことができました!![/su_spoiler]

まとめと公式化

というわけで「12=2×2×3 と因数分解できるので、12の約数の個数は(+1)×(+1)=3×2=6 と求めることができると分かりました。

12は「2」と「3」の二種類の素数しか出てきませんでしたが、三種類以上の素数が出てくる場合も同じように出せます。

例えば60=2×2×3×5の場合
「2」が2個なので(2+1)パターン
「3」が1個なので(1+1)パターン
「5」が1個なので(1+1)パターン
合計で(2+1)×(1+1)×(1+1)=12パターン

60の約数は12個と出せます。

まとめると…こうなります。

素因数分解と約数の個数

では、練習してみましょう!

●類題1-1

100の約数の個数を求めなさい
図解

100を素因数分解すると

[su_spoiler title=”どうなりますか?” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn pale”]

2)100
2)  50
5)  25
5

2×2×5×5 です
「2」が2個「5」が2個なので、約数の個数は
[su_spoiler title=”何個ですか?” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]

(2+1)×(2+1)=9個ですね

答: 9個[/su_spoiler]

●類題1-(2)

126の約数の個数を求めなさい
図解

[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn pale”]

126を素因数分解すると

2)126
3)  63
3)  21
7

2×3×3×7 です
「2」が1個「3」が2個「7」が1個なので
約数の個数は(1+1)×(2+1)×(1+1)=12個です

答: 12個[/su_spoiler]

●類題1-(3)

1050の約数の個数を求めなさい
注目!

はじめに出てきた「1050」の種明かしです

図解

[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn pale”]

素因数分解すると

2)1050
3)  525
5)  175
5)    35
7

2×3×5×5×7 です

「2」が1個「3」が1個「5」が2個「7」が1個なので
約数の個数は、(1+1)×(1+1)×(2+1)×(1+1)=24個です。

答: 24個

こうやって簡単に出していたんですね![/su_spoiler]

●類題1-(4)

32の約数の個数を求めなさい
図解

[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn pale”]

素因数分解すると

2)32
2)16
2)  8
2)  4
2

2×2×2×2×2 です
「2」が5個なので、約数の個数は (5+1)=6個です

答: 6個

32のように、素因数が一種類しかない場合は掛け算が出来ないので、そのまま答えになります。[/su_spoiler]

爽茶そうちゃ

これで約数の個数の求め方は終了です。公式一発で得点できるので、必ず身につけて下さいね!

逆向きの問題

公式(素因数分解から約数の個数を出す)の逆に、約数の個数から素因数分解の形を求める問題

例「1から50までの数のうち、約数が3つのものは何個あるか?」
→素因数分解すると「a×a」(素数の平方数)という形は、約数が(2+1)=3個になる。(この形以外には無い)
→1から50までに素数の平方数は「2×2=4」「3×3=9」「5×5=25」「7×7=49」の4個。

例2「 〃 、約数が4つのものは何個あるか?」
→約数が4つあるのは「a×b」(X型)か「a×a×a」(Y型)
→数え上げると…
→X型は「2×3」~「2×23」の8個+「3×5」~「3×13」の4個+「5×7」の1個=13個
→Y型は「8(2x2x2)」「27(3x3x3)」の2個のみ
→合わせて13+2=15個

まとめると…

約数の個数と素因数分解

●約数が1個の数→「1」だけ

●約数が2個の数→素数

●約数が3個の数→素因数分解すると「AxA」の形になる数(素数の平方数)

●約数が4個の数
→素因数分解すると「A×B」または「A×A×A」の形になる数

(例)20までの整数で約数が4個の数
→「A×B」形は6(2×3),10(2×5),14(2×7),15(3×5)
「A×A×A」形は8(2×2×2)で、合計5個

●約数が5個の数
→素因数分解すると「A×A×A×A」の形になる数

●約数が6個の数
→素因数分解すると「A×A×B(A×B×B)」または
「A×A×A×A×A」の形になる数

まとめ

この記事のまとめ

約数の個数(素因数分解利用)

約数の個数の素因数分解での求め方

(例1)12の約数の個数
→→12=2×2×3(2、3回)
→→12の約数は(+1)×(+1)=2×3=6個

(例2)90の約数の個数
→→90=2×3×3×5(2回、3回、5回)
→→90の約数は(+1)×(+1)×(+1)=2×3×2=12個

爽茶そうちゃ
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