「倍数の応用問題に挑戦したい」という小学5年生や中学受験生の方、お任せ下さい!東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が「~で割ると…余る数」をまとめました♪この記事を読めば得点アップ偏差値アップできますよ!
~「で」割ると余りが出る数
こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。
まずは誘導形式で問題を解いてみましょう
例題1
(1)「7で割り切れる数」はどのような数か
(2)「3余る」とはどういう意味か
(3)「プラス」以外にも考え方は無いか
(4)結局、「7で割って3余る数」はどのような数か。2通りで表わせ
小問1
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「Aで割り切れる数」=Aの倍数でした
したがって、「7で割り切れる数」=7の倍数です
答: 7の倍数
7,14,21…と増えていきます
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小問2
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「3余る」とは言葉としては「プラス3する」 という意味ですね
この問題では、7の倍数に+3するという意味です。
よって「7で割ると3余る数」は「7の倍数+3」になります
答: 7の倍数に+3するということ
先程の7の倍数にプラス3した数を並行する数直線に記していくと、10,17,24…と増えていきます。
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ただ!これで終わりではありません!
小問3
(ヒント)
「プラス」以外と言われているので…
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10を14と、17を21と結んでみると…
BはAをマイナスの方向に4ずらした数になっていると分かります。
つまり、Bは「7の倍数-4」とも言えるのですね。
答: 7の倍数-4
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小問4
2通りで表わせ
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先程の
プラスとマイナスの2つの考え方を合わせて
「7で割って3余る数」は
「7の倍数+3」または「7の倍数-4」と言えますね
答: 7の倍数+3 または 7の倍数-4
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「倍数にプラス」
「倍数からマイナス」
この2通りの表現は色々と役立ちますが、
特に公倍数の問題で使いますので、必ず覚えておきましょう
o(・∀・)o
Aで割るとB余る数
=「Aの倍数+B」
または「Aの倍数ー(A-B)」
(例)
7で割ると3余る数
=7の倍数+3 または 7の倍数-4
倍数算や差集め算等で使いますので
線分図での書き方を記しておきます。
まず
「7で割り切れる数」Aを線分図にすると、こうなりますね。

掛け算の線分図と同じ形です。
かけ算の線分図
次に
「7で割ると3余る数」Bを書きます。
Bは2通りの表現が可能です。
まず
「7の倍数+3」の方はこうなります。
また
「7の倍数-4」の方はこうなります。
そして
2つを合わせて図にするとこうなります
是非書けるようにしておきましょう!
類題1
公式にあてはめる練習です
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問題文で「13で割ると3余る」とあるので、
13の倍数にプラスする数字は3
マイナスする数字は 13–3=「10」です

こういうイメージ(汚くてスイマセン)
「13の倍数+3」または「13の倍数-10」です。
答: 13の倍数+3 または 13の倍数-10
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それでは、この表現を使った問題を解いてみましょう。
~で割ると余りが出る数
の問題演習
例題2
(1)「9で割ると6余る数」を小さい方から3つ書きなさい
(2)「9で割ると6余る数」の20番目はいくつか?
(3)「9で割ると6余る数」で1000に一番近いものは?
(4)「9で割ると6余る数」で2ケタのものはいくつあるか?
小問1
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「9でわると6余る数」は
「9の倍数プラス6」または「9の倍数マイナス3」になります。
9の倍数が ①9,②18,③27…と増えていき、それに6をプラスすると 15,24,33 になります
が…先程の「マイナス」の方を使うと、6,15,24 になります。
答えが2つ出てしまいました…数直線上に表すと、こうなります。
マイナス3の方が小さいですね
したがって、答えは 6,15,24 になります
答: 6,15,24
実は「プラス6」の考え方の場合、先程の図には9の倍数のゼロ番目「0」というのが隠れていて、9× 0 +6=6 が最初の数だったのですね。
ただ、この考え方だと9の倍数のゼロ番目と「余る数」の1番目が対応することになり、紛らわしいですね…
したがって番目が関係する場合は、9の倍数の1番目「9」と6余る数の1番目「6」を対応させるためには「マイナス」の考え方を使ったほうが良さそうだと分かります。
これが面倒くさい人は、等差数列の考え方を使うとスッキリします。(最終章にあります)[/su_spoiler]
小問2
(ヒント)
番目で指定されているので「マイナス」の考え方を使います。
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9の倍数の⑳番目が9×⑳=180 ですから
それから3マイナスして
9×⑳-3=177と分かります
答: 177
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小問3
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この小問は、番目が関係ないのでプラスの考え方を使いましょう
まず1000に近い9の倍数を出します。
1000÷9=111…1 なので9×111=999 が1000付近にあります。
さらに13を足したり、引いたりして前後も出しておくと990,999,1008 が1000のそばにあります。
それらの3つ数に6プラスして1000のそばにある「9で割ると6余る数」を出すと、990+6=996(X)、999+6=1005(Y)、1008+6=1014(Z) の3つになります。
この中で、XとYが1000の前後にありますね。
そこで、XとYのどちらが1000に近いのか差をとって比べると…
(大きい方から小さい方を引く)
1005-1000=5 と1000-996-4 で1000に近い996 が答えになります。
答: 996[/su_spoiler]
[su_spoiler title=”別解を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]
数直線上に倍数を表すと見やすいのですが、正確に書くのは小学生には難しい場合もあります。
そこで、表を使う方法も示します。(算数が苦手な生徒さんは、まずこちらの方法で答えを出せるようにするが優先です。)
上段に9の倍数を書き、下段に+6した数を書きます。
9の倍数 | 9×① 9 |
9×② 18 |
… | 9×⑩ 90 |
9×⑪ 99 |
9×⑫ 108 |
〃 +6 | 9+6 15 |
18+6 24 |
… | 90+6 96 |
99+6 105 |
108+6 114 |
上段では⑪番目が100に一番近いのですが、下段では⑩番目+6が一番近いのが分かります。
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小問4
易しいと思われる表を使った別解を先に記します。
以前の記事でケタ指定の倍数の個数問題を解説しました。
あれと同じように考えます。こういう公式でした。
そして、数直線ではなく表を使うとこうなります。

表なら簡単に書けますね
まず9の倍数を上の段に書きます。途中は省略して、1ケタから2ケタに変わる前後と2ケタから3ケタに変わる前後を書きます。
次に、-3したものを下の段に書きます。すると、1ケタと2ケタのものが⑪個、1ケタのものが①個あると分かります。
従って、2ケタのものは⑪-①=⑩個ありますね。(ここでは、植木算の番目と番差の関係を使って⑪-②+1=10でも良いでしょう)
答: 10個
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[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]
並行する数直線を使うと
99÷9=11
9÷9=1 なので
1ケタの9の倍数は「①9」1個だけ
1ケタと2ケタの9の倍数は「⑪99」までの11個
この2つの数から3を引くと
①9-3=6
⑪99-3=96
となり
ケタ数は変わっていません
念の為、一つ後の②18-3 と⑫108-3を確かめます。
これらは範囲の境目である9や99をまたいでいないので、この問題では特に考えなくてもOKでした。
以上より、2ケタの「9で割ると6余る数」は、96までの11個から6の1個を引いて10個 と分かります。
答: 10個
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ですから、調べる時はできるだけ図や表を書いたほうが良いです。
そして日頃の学習で図表を書いているうちに、書かずに頭の中だけでも正解が出せるようになって、テストで時間が無い時は図を書かずに解くことができるようになります。
では、どうすれば生徒に図表を書かせることができるか?
答えは…「楽しませるのが一番」です。
好きなスタイルや色で書かせる、書いた事自体をほめる、など
図表を書く時間=自由で楽しい時間になるように工夫するのが大切です。(私の場合は、自分自身が絵を書くのが好きなので生徒よりも楽しんでいますがw)
類題で練習しましょう
類題2
以上で「~で割ると余る数」の問題の解き方は終了です
お疲れ様でした!
~で割ると余りが出る数
を数列として扱う
これ以降の記事は、
「規則性」「等差数列」の学習が前提になります。
以下の記事に目を通すことをススメます
最低限、等差数列の公式と基本図を理解してから
お読み下さい。
倍数の第一回で、倍数=等差数列の一種 と説明しました。
この「余る数」も等差数列と見ることができます。
例題3
(1)はじめの数と公差はいくつになるか
(2)30番目の数を求めなさい
(3)353は何番目の数か?
(4)はじめの数から30番目までの和を求めよ
小問1
[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]
先程書いたように、
「7で割ると3余る数」は ①3 ②10 ③17…と並んでいます。
((数直線上の分布図))
したがって、
はじめの数=3,公差=7と分かります。
答: はじめの数3,公差7
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小問2
[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]
等差数列の基本公式を思い出せば…
30番目の数=はじめの数+{公差×(30-1)}
なので、
この問題の場合は、
30番目の数=3+{7×(30-1)}=206ですね
答: 206
「倍数にプラス」「倍数にマイナス」
どちらを使うか考える必要がなく
統一的に処理できるので頭の負担が減ります
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小問3
[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]
さきほどの公式
N={(N番目の数-はじめの数)÷差} を使うと
N={(353-3)÷7}+1=51 番目と分かります
答: 51番目
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小問4
[su_spoiler title=”解答を表示” style=”fancy” icon=”chevron-circle” class=”std no-trn orange”]
等差数列の和の公式
「数列の和=(はじめの数+N番目の数)×N÷2」に、
はじめの数=3、30番目の数=206(小問2より)、N=30 をあてはめて計算すると
(3+206)×30÷2=3135 になります。
答: 3135
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類題で練習しましょう
類題3
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まとめ
Aで割るとB余る数
=「Aの倍数+B」または「Aの倍数-(A-B)」
(例:7で割ると3余る数
→→7の倍数+3 または 7の倍数-4

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