●まとめ(この記事)
A1:倍数と公倍数(小5)
A2:範囲と(公)倍数(受験)
A3:倍数の個数(受験)
A4:倍数の識別(受験)
A5:倍数と余り(受験)
B1:約数と公約数(小5)
B2:素因数分解とすだれ算(受験)
B3:約数の個数(受験)
B4.5:約数の総和
B5:約数と余り(受験)
C1:素因数分解とすだれ算(受験)
C2:3つの数のすだれ算(受験)
C3:公倍数公約数の個数
C4:公倍数公約数と余り
C5:公約数公倍数の応用
2/10(火)から2/12(金)にかけてサイト更新作業のためダウンロードが出来なくなっています。ご迷惑をおかけします。
「倍数・約数・公約数・公倍数の基本から応用までマスターしたい!」という中学受験生の方、おまかせ下さい!東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすくまとめました♪
この記事はちょっと長いです。読みたいところをクリックして下さい!
(公)倍数の基本事項
倍数の基礎
簡単にまとめます。
→➁AはBで割り切れる
◆偶数…2の倍数である数
◇奇数… 〃 でない数
●見分け方
→ 一の位が2,4,6,8,0のどれかなら偶数
(例)「1236」→偶数
「1237」→奇数
くわしい説明を読みたい・もっと問題を解きたい人は姉妹サイト「そうちゃ式 旧館」の「倍数の基礎」を見て下さい
倍数の見分け方
大きく分けて2タイプあります。
●→ある位を見るタイプ
●→各位の和を見るタイプ
●2の倍数(偶数)かどうか見分ける→1の位が0,2,4,6,8のどれか
●3の倍数かどうか→各位の和が3の倍数
・(例「195」→1+9+5=15。15が3の倍数なので◎)
●4の倍数かどうか→下2ケタが「00」か4の倍数
・(例「9912」→下2ケタは「12」。12が4の倍数なので◎)
●5の倍数かどうか→1の位が0か5
●6の倍数かどうか(2段階で見分ける)
・→1の位が0,2,4,6,8のどれかで、各位の和が3の倍数
●8の倍数かどうか→下3ケタが8の倍数
●9の倍数かどうか→各位の和が9の倍数
●10の倍数かどうか→1の位が0
くわしい説明を読みたい・もっと問題を解きたい人は姉妹サイト「そうちゃ式 旧館」の「倍数の見分け方」を見て下さい
公倍数
重要なので「覚えて」下さい。特に最後の意味が重要です。
●公倍数=2つ以上の数に共通する倍数
=2つ以上の数で割り切れる数
●最小公倍数=はじめの(一番小さい)公倍数
●公倍数は最小公倍数の倍数
求め方(書き出すやり方)
学校で習う方法で、大きい数を2倍・3倍していって小さい数の倍数にもなったら、それが最小公倍数で、あとの公倍数は最小公倍数を1倍・2倍…していく。
例えば、6と10の公倍数を見つける場合
→10の2倍は20。20は6の倍数ではないでないので公倍数でない。
→10の3倍は30。30は6の倍数なので、これが最小公倍数。
→次の公倍数は60×2=120、その次は60×3=180とずっと続きます。
くわしい説明を読みたい・もっと問題を解きたい人は姉妹サイト「そうちゃ式 旧館」の「公倍数の意味と求め方」を見て下さい
(公)約数の基礎
約数の基礎
約数の意味
約数はもとの数を割って(分解して)できる数です。
「AがBの約数」
→❶B=A×○と分解できる。
→❷AはBを割り切れる
求め方(書き出し)
無限に続く倍数と違い、約数には限りがあります。まずは書き出しで求められるようにします。
X=A×B=C×D…と分解できる時、
A,B,C,D(,E,F)はXの約数である。
実際に求めて下さい!
20の約数を全て書き出しなさい
→( 20=1×20=2×10=4×5なので 1,2,4,5,10,20 )
詳しい説明を読みたい問題を解きたい人は姉妹サイト「そうちゃ式 旧館」の「約数の基礎」を見て下さい(無料プリントのダウンロードができます)。
公約数
意味
いくつか意味があるが、最後のものが重要。
●公約数=2つ以上の数に共通する約数
=2つ以上の数を割り切れる数
●最大公約数=一番大きい公約数
●公約数は最大公約数の約数
求め方
2つの数のうち小さい方の約数を「書き出し」で求めて、大きい数の約数にもなっているのが公約数。
テストで試して下さい。
(1)12と18の公約数を求めなさい
→( 12の約数は1,2,3,4,6,12で18の約数は1,2,3,6,9,18なので、共通する約数は1,2,3,6 )
12と18の公約数はどのような数か?一言で表現しなさい
→( 12と18の最大公約数が6なので、12と18の公約数は6の約数 )
もっと詳しい説明を読みたい・もっと問題を解きたい人は姉妹サイト「そうちゃ式 旧館」の「公約数の意味と求め方」を見て下さい。
範囲と(公)倍数
~に一番近い倍数
問題文の指定方法に注意します。
●Nより小さいAの倍数でNに一番近い数
→A×(N÷A) *わり算の余りは無視
(例)100より小さい6の倍数のうち、一番100に近いもの→6×(100÷6)=6×16=96
●Aの倍数のうち、一番Nに近い数
→A×(N÷A) と A×(N÷A)+A を比べる *わり算の余りは無視
(例)6の倍数のうち、一番100に近いもの
→6×(100÷6)=96 と 96+6=102 を比べて、102が答え。
確認テストをどうぞ
200より小さい7の倍数で一番200に近いのは何か?
→( 7×(200÷7)=7×28=196 )
7の倍数で一番200に近いのは何か?
→( 196 と 196+6 を比べる。196と203を比べて203 )
くわしい説明を読みたい・もっと問題を解きたい人は本サイトの「範囲と(公)倍数」を見て下さい
素因数分解と約数(すだれ算)
素数
「1×その数」にしか出来ない数を素数という。
3→「1×4」にしか分解できない→素数である。
4→「1×4」以外に「2×2」にも分解できる→素数でない
7は素数ですか?→( 1×7にしか分解できないのでO )
9は 〃 ?→( 1×9以外にも3×3と分解できるのでX )
11は 〃 ?→( 1×11にしか分解できないのでO )
53は 〃 ?→( 1×53にしか分解できないのでO )
素因数分解のやり方
2つのやり方があります。
ニ分解式
2つの数のかけ算にどんどん分解する方法。
→素数になるまでどんどん分解する方法
(例)60を分解
60=6×10
=2×3×2×5
=2×2×3×5 ←小さい順に並べ直して完成
すだれ算
「答えを下に書いていく割り算」すだれ算で分解する方法。小さい素数で割っていく。
確認テスト(2020.2.26作成中)
詳しい説明を読みたい・問題を解きたい人は「すだれ算と素因数分解のやり方」を見て下さい。
素因数分解を使った応用問題
約数の個数を素因数分解から求める
→この先「約数の個数」で解説(解説へジャンプ)
素因数分解の構成を考える問題
例えばこんな問題です。
素因数分解の構成の問題
(図解)
この問題はAを考えればBが分かります。
まず600を素因数分解すると2×2×2×3×5×5なので、A×600=A×2×2×2×3×5×5 と直せます。素因数が2,3,5の三種類あるのが分かりました。
ところで、B×B×Bのように同じ数を三回かけた数は、素因数分解するとBを作る素因数3つずつのかけ算になります。
(例:6×6×6)
6×6×6
=(2×3)×(2×3)×(2×3)
=(2×2×2)×(3×3×3)
よって、さっきの A×600=A×2×2×2×3×5×5 も素因数3つずつのかけ算になるはずです。
すでにある2,3,5を減らすことはできないので、2,3,5を増やして3つずつにした (2×2×2)×(3×3×3)×(5×5×5)=2×2×2×3×3×3×5×5×5 なら良さそうです。
問題の A×600=A×2×2×2×3×5×5と今作った良さげな形「2×2×2×3×3×3×5×5×5」を並べてみましょう。
問題文の形:A×2×2×2×3×5×5
良さげな形:2×2×2×3×3×3×5×5×5
問題文の形の方が素因数が少なく見えます。数えると「3」が2つと「5」が1つ少ないです。
➀問題文の形:A×2×2×2×3×5×5
②良さげな形:2×2×2×3×3×3×5×5×5
(➀に無いものを緑にした)
➀と②は等しいので、足りなく見える「3」が2つと「5」はAに含まれていたのでした。つまりA=3×3×5 ということです。
➀問題文の形:A×2×2×2×3×5×5
➀Aを変える:3×3×5×2×2×2×3×5×5
②良さげな形:2×2×2×3×3×3×5×5×5
②B×B×B形:(2×3×5)×(2×3×5)×(2×3×5)
②を「B×B×B」の形に直すと(2×3×5)×(2×3×5)×(2×3×5)になります。この(2×3×5)=30=Bになります。
(補足説明)
これで答えは出たのですが、問題文に「最小の」とあるのは何故でしょうか?
実は条件を満たすBというかAはいくらでも作ることが出来るのです。
例えば、A=3×3×5 でしたが、さらに素因数を加えてA=3×3×5×7×7×7とする場合を考えます。
A×600=3×3×5×7×7×7×2×2×2×3×5×5 = 2×2×2×3×3×3×5×5×5×7×7×7」= という風に3つずつのかけ算になるのでB×B×Bの形にすると(2×3×5×7)×(2×3×5×7)×(2×3×5×7)になり、(2×3×5×7)=210=B もOKになります。
同じ調子で「×7×7×7」だけではなく「×2×2×2」や「×3×3×3」を加えた場合もOKになります。
つまり、素因数を3回かけたものを加えていけばいくらでも答えが作れるのですね。
そこで設問文章に「最小の」という条件が加わっているのです。
分かりましたね?では確認テストをどうぞ
確認テスト(2021.2.11作成中)
わり算の回数を求める
例えばこんな問題です
割り切れる回数(1)
「1680を2で割っていくと何回割り切れるか」
「2で割り切れる数」は2の倍数ですが(→参考記事「倍数の基礎」)割り切れる回数はどうやって決まるのでしょうか?
試しに「6」「7」「8」を2で割ってみると…
「6」6÷2=3(1回目) 3÷2=X(割り切れない)→1回
「7」7÷2=☓(割り切れない)→0回
「8」8÷2=4(1回目) 4÷2=2(2回目) 2÷2=1(3回目) 1÷2=☓(割り切れない)→3回
この「1」「0」「3」という回数がどこから来ているか素因数分解をすると分かります。
数 | 素因数分解の結果 | 2で割り切れる回数 |
6 | 2×3 | 1 |
7 | 7 | 0 |
8 | 2×2×2 | 3 |
わかりましたね。素因数分解したときの「2」の個数で決まるのでした!
ある数Nを素数Aで割り切れる回数
=Nを素因数分解した時のAの個数
(例)6,7,8を2で何回割り切れるか
6=2×3 →1回
7(素数) →0回
8=2×2×2 →3回
では最初の例題に戻ります。
割り切れる回数(1)
(解説)
「2で割り切れる回数=素因数分解した時の「2」の個数」です。
1680を素因数分解すると 2×2×2×2×3×5×7 です。
「2」が4つ入っているので、2で4回割り切れます。
上の問題を少し複雑にしたこんな問題もあります。
割り切れる回数(2)
10は素因数分解すると10=2×5 なので、10で一回割り切れるためには「2」と「5」が両方揃っていないといけません。
したがって10で割り切れる回数は「2&5」セットの個数で決まります。
この考え方で上の問題を解いてみましょう
割り切れる回数(2)
(解説)
1から75までの整数をすべてかけた 1×2×3×…×74×75 を素因数分解した中に「2&5」のセットがどれくらい入っているか考えます。
かけ算される75個の数の約半分が2の倍数(偶数)であるのに対し5の倍数はそこまで多くないので、素因数分解すると「5」の方が「2」よりも少ないと考えられます。
1×2×3×4×5×6×7×8×9×10×11×12×…
したがって「2&5」セットの数は少ない「5」の数をかぞえれば分かります(男性100人女性3人のパーティーで成立する男女のカップルは3組です)
まず1から75までの間に5の倍数がいくつあるか計算すると75÷5=15個なので「5」の数は15個と思うかもしれませんが「5」はまだあるのです!
(数え方の注意)
例えば5の倍数の中でも25,50,75の25の倍数には「5」が2個ずつ含まれていますが、これらは先程は1個ずつしか数えられていません。数え残しが3個あったのです。
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5が3個(25の倍数の個数)数え残されていた
この図より「5」は15+3=18個あり「2&5」のセットも18個あるので、10で割り切れる回数も18回と分かりますね。
分かりましたか?確認テストをどうぞ
確認テスト
1から175までの整数をすべてかけた数を10で割ると何回割り切れるか
1から175までに5の倍数は35個、25の倍数は7個、125の倍数の倍数は1個あるので、5,25,125の倍数と「5」の個数を図にするとこうなります。
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5は25の倍数の個数と同じ7個
5は125の倍数の個数と同じ1個
この図より「5」は35+7+1=43個あり「2&5」のセットも43個あるので、10で割り切れる回数も43回と分かりますね
末尾の0の個数を求める
例えばこんな問題です。
末尾に並ぶ0の個数A
(考え方)
「末尾に0が並ぶ」というのは、百なら「100」なので2個、十万なら「100000」なので5個並んでいるということです。
これは何回10をかけたか、つまり10で何回割り切れるかと同じ意味なので、上で解いた問題と同じく素因数分解したときに「2&10」のセットがいくつできるかということですね。
そして、この問題でも「2」より「5」の数の方が少なそうなので、素因数分解した時の「5」の個数を調べれば良いですね。
(解説)
1から50までに5の倍数は50÷5=10個、25(5×5)の倍数は50÷25=2個、125(5×5×5)の倍数はない。
➀5
②5
⑤5
➀5
⑨5
⑩5
②5
5は25の倍数の個数と同じ2個
「5」は10+2=12個あり、10で12回割り切れて、末尾に並ぶ0の数も12個と分かりました。
確認テストをどうぞ
(確認テスト作成中)
似た問題として、場合の数と組み合わせたような問題があります。
末尾に並ぶ0の数B
解説
2,4,5を1回ずつ使ってできる3ケタの数は「245」「254」「425」「452」「524」「542」の6通り。
これらをかけた数の末尾に並ぶ「0」の数は「2&5」セットの数=「5」の数
6通りの数のうち5の倍数は「245」と「425」なので、この中の「5」の数をカウントすればよい。
素因数分解すると、245=5×7×7、425=5×5×17 で「5」は3個入っている
5
5
5
5は25の倍数の個数と同じ1個
合計して3個の「5」がある
したがって、末尾に並ぶ「0」は3個と分かる
素因数分解と公約数・公倍数
すだれ算を使うと、最大公約数と最小公倍数を一気に求められます。
2つの数のすだれ算
2つの数を並べて公約数で割っていく。
確認テストをどうぞ
45と75の最大公約数と最小公倍数をすだれ算で求めよ
→( すだれ算をすると下のようになるので、最大公約数=3×5=15、最小公倍数=3×5×3×5=225 とわかる
最小公倍数3×5×3×5=255
詳しい説明を読みたい・もっと問題を解きたい人は「素因数分解(すだれ算)と公約数公倍数」を見て下さい。
3つの数のすだれ算
数が3つある場合も同じように行うが、二数しか割れない素数が出てきた場合に特殊なやり方をする。
確認テストをどうぞ
90と50と210の最大公約数と最小公倍数をすだれ算で求めよ。
最小公倍数2×3×5×3×5×7=3150
詳しい説明を読みたい・問題を解きたい人は「三つの数のすだれ算」を見て下さい。
すだれ算を利用した問題
準備
例えば、12と18の場合はすだれ算はこうなります(左の数字は普通2と3が縦に並ぶのですが、分かりやすいように6で一発で割ってしまいます。
2 3
最小公倍数は6×2×3=36
ここに現れている数の関係を公式風にすると、こうなります。
a b
(aとbは互いに素*)
最大公約数=X
最小公倍数Y=X×a×b
A=X×a、B=X×b
*aとbはすだれ算の最下段なので公約数は1だけです。このような2つの数を「互いに素(たがいにそ)」と呼びます。
以上の図と知識を使って問題を解きます。
問題
(1)最大公約数が3で最小公倍数が84である2つ数を求めよ。ただし2つの数は共に2ケタの数である。
→すだれ算利用図を書くと、こうなります。AとBを聞かれていますが、aとbを出すのがこの問題のポイントです。
a b
最大公約数=3
最小公倍数84=3×a×b
3×a×b=84 から、a×b=28 と分かります。かけて28になる2数の組み合わせは、(1,28)と(2,14)そして(4,7)の3通りしかないので、(a,b)はこのどれかです。
このうち、(2,14)は「互いに素」でない(共に2で割れる)ので不適当です。
さらに(1・28)をすだれ算に入れてみると
1 28
最小公倍数84=3×1×28
A=3×1=3、B=3×28=84
Aは3×1で3になり、問題文の「2ケタ」に反してしまうのでやはり不適当です。
結局(4,7)の組み合わせのみが残り、これですだれ算を作ると、
4 7
最小公倍数84=3×4×7
A=3×4=12、B=3×7=21
12と21が答えと分かります。12,21
個数の問題
倍数の個数
無限に続く倍数ですが、範囲を区切れば個数が決まります。
基本公式
まず1からある数まで範囲を区切った場合の個数の出し方を覚える。
1からNまでの間にあるAの倍数の個数
→N÷A 個(余りは無視)
(例)1から100までの間にある3の倍数の個数
→100÷3=33…1→33 個
これを利用すれば、1からでない範囲内の個数も求められる。
●NからMまでの間にあるAの倍数の個数
→(M÷A)-((N-1)÷A) 個(余りは無視
(例)50から100までの間にある3の倍数の個数
→(100÷3)-((50-1)÷3)=33-16=7 個
*N-1になる事に注意!
試してみましょう♪
100から200までの間にある7の倍数の個数は?
→( (200÷7)-((100-1)÷7)=28-14=14個 )
ケタ数指定
範囲ではなく、ケタ数で区切って個数を聞かれることがよくあります。上の考え方を利用します。
●1ケタのAの倍数の個数
=1から9までの間のAの倍数の個数
→9÷A 個(余りは無視)
●2ケタのAの倍数の個数
=10から99までの間のAの倍数の個数
→(99÷A)-(9÷A) 個(余りは無視)
(例)2ケタの7の倍数の個数を求める
→(99÷7)-(9÷7)=14-1=13 個
●3ケタのAの倍数の個数
=100から999までの間のAの倍数の個数
→(999÷A)-(99÷A) 個(余りは無視)
問題を試してみましょう!
4の倍数で2ケタのものは何個あるか?
→( (99÷4)-(9÷4)=24-2=22個 )
11の倍数で3ケタのものは何個あるか?
→( (999÷11)-(99÷11)=90-9=81個 )
もっとじっくり説明を読みたい人は「倍数の個数」を見て下さい。
公倍数の個数(ベン図の問題)
基本解法
公倍数は最小公倍数の倍数なので、上と同じ方法で求められる。
試しにテストしてみましょう
3と4の公倍数は1から300までの間に何個あるか?
→( 3と4の最小公倍数は12なので、12の倍数が1から300までの間に何個あるか求める )
→( 300÷12=25個 )
3と4の公倍数で200より小さく、一番200に近いものは?
→( 12の倍数で200より小さく一番200に近いものを求める )
→( 200÷12=16 12×16=192 )
3と4の公倍数で一番200に近いものは?
→( 上で出した192とその次の12の倍数204を比べて、近いのは204 )
ベン図を使った問題(二数の場合)
「ABのどちらかで割り切れる数」や「ABどちらでも割り切れない数」を求める問題です。ベン図をイメージします。
この図(ベン図)が良く分からない/忘れた人は参考記事「集合算のまとめ」を見て下さい。
確認テストをどうぞ
1から100までの整数がある。
2または3で割り切れる整数は何個あるか?
→1から100までで、2で割り切れる数=2の倍数の個数は( 100÷2=50個(a) )
→同様に3で割り切れる数=( 3の倍数の個数は100÷3=33個(b) )
→2でも3でも割り切れる数=( 2と3の公倍数=6の倍数の個数は100÷6=16個(c) )
→よって2または3で割り切れる数の個数は( a+b-c=50+33-16=67個(ピーナッツ型) )
2でも3でも割り切れない整数は何個あるか?
→( 範囲内にある数(N)は全部で100個なので、N-ピーナッツ=100-67=33個 )
ケタ数も組み合わせた問題もあります。
3ケタの整数のうち、12でも18でも割り切れない数は何個あるか?
→( 3ケタの整数は全部(N)で999-99=900個。
このうち12の倍数の個数(a)は(999÷12)-(99÷12)=83-8=75個。18の倍数の個数(b)は(999÷18)-(99÷18)=55-5=50個(b)。
12と18の公倍数(c)=36の倍数の個数は )(999÷36)-(99÷36)=27-2=25個(c)。
よって12でも18でも割り切れない数の個数(N-(a+b-c))は900-(75+50-25)=800個 )
公倍数の個数(三数の場合)
「ABCどれでも割れる数」「AでもBでもCでも割れる数」や「AとBでは割れるがCでは割れない数」を求めます。
右図のように条件内のすべての数の個数をN,
Aの倍数(Aで割り切れる数)の個数をa,
Bの倍数(Bで割り切れる数)の個数をb,
Cの倍数(Cで割り切れる数)の個数をc,
ABの公倍数の個数をp,BCの公倍数の個数をq,ACの公倍数の個数をr
ABCの公倍数(AでもBでもCでも割り切れる数)の個数をsとする時
●ABCどれかの倍数(AかBかCで割り切れる数)の個数
=(a+b+c)-(p+q+r)+s *右図の「クローバー」形
これは公式を覚えなくてもa,b,c,p,q,r,sからu,v,wとx,y,zをコツコツと求めて答えが出せればOKです
●ABCどれの倍数でもない数(AでもBでもCでも割り切れない数)の個数z
=N-クローバー形の数
確認テストで実際に計算してみましょう(けっこう面倒くさいです…)
1から1000までの数について以下の問いに答えなさい。
3でも4でも5でも割り切れる数(p)の個数は?
→( 3,4,5の公倍数=の3,4,5の最小公倍数60の倍数 )の個数を求めればよい
→( 1000÷60=16余り40なので、16個 )
3と4では割り切れるが5では割り切れない数(u)の個数は?
→( 3,4の公倍数の個数(p)から3,4,5の公倍数の個数(s)を引いたもの )を求めれば良い
→( 3,4の公倍数=12の倍数の個数は、1000÷12=83余り4より83個 )
→( 83-16=67個 )
3か4か5で割り切れる数は何個あるか?
→同じように、( 4と5では割り切れるが3では割り切れない数(v)、3と5では割り切れるが4では割り切れない数(w) )を求めていく
3でも4でも5でも割り切れない数は何個あるか?
→
この図(ベン図)が良く分からない/忘れた人は参考記事「集合算のまとめ」を見て下さい。
確認テスト
約数の個数
公式
単純に書き出す以外にも、素因数分解ができる人なら計算で求めることができます。
確認テストで試してみましょう♪
12の約数の個数を求めよ
→( 12=2×2×3(2が❷回、3が❶回)なので、12の約数は(❷+1)×(❶+1)=2×3=6個 )
90の約数は何個あるか?
→( 90=2×3×3×5(2❶回、3❷回、5❶回)なので、90の約数は(❶+1)×(❷+1)×(❶+1)=2×3×2=12個 )
詳しい説明を読みたい、問題を解きたい人は参考記事「約数の個数」を見て下さい。
逆向きの問題
公式(素因数分解から約数の個数を出す)の逆に、約数の個数から素因数分解の形を求める問題
例「1から50までの数のうち、約数が3つのものは何個あるか?」
→素因数分解すると「a×a」という形になる数(1以外の平方数)しか約数が3つにはならない。(2+1)=3
→1から50までに1以外の平方数は「4」「9」「16」「25」「36」「49」の6個。
例2「 〃 、約数が4つのものは何個あるか?」
→約数が4つあるのはX型「a×b」かY型「a×a×a」
→X型は場合の数(えらび方)で調べる
→Y型は数え上げる「8」「27」のみ
→合わせて + = 個
(参考)約数の総和
上の形を使うと約数の合計(総和)を求めることもできます。詳しくは「約数の総和」を見て下さい。
公約数の個数(ベン図の問題)
基本
公約数は最大公約数の約数なので、公約数の個数は約数の個数と同じように計算で求められる。
270と450の公約数の個数は?
→( 270と450の最大公約数は90。90=2×3×3×5なので、約数の個数は(❶+1)×(❷+1)×(❶+1)=12 )
ベン図を使った問題
「aかbのどちらかを割り切れる数」を求める問題
確認テストをどうぞ
270か450どちらかを割り切れる数の個数は?
→( 270の約数の個数は270=2×3×3×3×5より約数は2×4×4=16個(a) )
→( 450の約数の個数は450=2×3×3×5×5より約数は2×3×3=18個(b) )
→( 270と450の公約数の個数は最大公約数90の約数で12個(c) )
→( 求める個数は(a+b)-c=(16+18)-12=22個 )

個数の問題は以上です。次は「余り」の問題です。
余りの問題
倍数と余り
倍数を使うと「~で割ると~余る」数を簡単にあらわすことができます。
プラス型「~の倍数+○」とマイナス型「~の倍数-○」の2つの表現方法があります。
Aで割るとB余る数
→プラス型の表現=「Aの倍数+B」
→マイナス型の表現=「Aの倍数-(A-B)」
(例:7で割ると3余る数
→プラス型の表現=「7の倍数+3 」
→マイナス型の表現=「7の倍数-4」
これを実際に使って個数や番目が関係する問題を解く時はマイナス型の方が便利です。または等差数列の考え方を使います。
等差数列で表す
7で割って3余る数をマイナス型で小さい方から書くと、7×①-4,7×②-4,7×③-4…で「3,10,17…」になります。
これは「はじめの数=3,公差=7の等差数列」と同じです。はじめの数=余り(3)、公差=割る数(7)になっているのに注目!です
あとは等差数列の問題として解けます(小5以降の受験生にはこちらをすすめます)
Aで割るとB余る数
=はじめの数=B,公差=Aの等差数列
(例)7で割ると3余る数
→はじめの数3=,公差=7の等差数列
①3 ②10 ③17 ④24…
「近い数」を求める
7で割ると3余る数で200に一番近い数?
→
個数を求める
1から300までの整数のうち、7で割ると3余る数はいくつあるか?
→
詳しい説明を読みたい・問題を解きたい人は「倍数と余り(~で割ると余る数)」を見て下さい。
公倍数と余り
倍数と余りで出てきた「プラス型」「マイナス型」に加えて、はじめの一個を書き出して求める「書き出し型」があります。
三つの表現方法
基本(プラス型)
例:5で割っても7で割っても2余る数
→5と7の公倍数+2=「35の倍数+2」 になる。
マイナス型
例:5で割ると2余り、7で割ると4余る数
→5で割ると(5-2=)3足りず、7で割っても(7-4=)3足りない数
→5と7の公倍数-3=「35の倍数-3 」になる。
書き出し型
プラス型でもマイナス型でもない場合、最初の一個を書き出しで求め、それに公倍数を足すと二番目・三番目が出てきます(つまり、等差数列になる)
例:5で割ると2余り、7で割ると3余る数
→プラス型でもマイナス型でもない…はじめの一個を書き出しで求めて17、そこから35づつ増えて行く。
(これは「はじめの数」=17「公差」=35の等差数列です)
等差数列で表す
プラス型
マイナス型
書き出し型
「近い数」を求める問題
個数を求める問題
約数と余り
約数を使うと「~を割ると~余る数」を簡単に表現できます。
Aを割るとB余る数
=(A-B)の約数でBよりも大きいもの
(例:「120を割ると8余る数」
→→(120-8)=112の約数で8より大きいもの

ただ、余りよりも大きいという制限に気をつけましょう。
詳しい説明を読みたい・問題を解きたい人は「約数と余り(~で割ると余る数)」を見て下さい。
公約数と余り
「約数と余り」と同様に考えます。
「Aを割ってもBを割ってもC余る数」
=AとBの公約数のうちCより大きいもの
=AとBの最大公約数の約数のうちCより大きいもの
確認テスト(2020.2.13 作成中)

公倍数・公約数の文章題
(作成中)
公倍数の文章問題
公約数の文章問題
公倍数公約数の文章題は以上です
プリントダウンロード
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保管セクション
60をすだれ算で素因数分解していく例
30÷2=15→ 2)30
15÷3=5→ 3)15
5
60=2×2×3×5
左に(縦に)並んだ数をかけると最大公約数になり、
左と下に(横に)並んだ数全部をかけると最小公倍数になる。