1.濃度の基本
割合(復習)
濃度は割合の一分野で、図と公式は割合とほぼ同じです。
割合の図(矢印図)
姉は妹の4倍持っている」
3×4=12を表す
図と三公式
矢印図
→3つの数が「A×B=C」の関係にある時に、
矢印の向きに沿って「A」「B」「C」を並べた図
(例)「2×3=6」の矢印図


➊さきの数(6)=もとの数(2)×矢の数(3)
❷矢の数(3)=さきの数(6)÷もとの数(2)
❸もとの数(2)=さきの数(6)÷矢の数(3)
学校などで習う「割合の三公式」(中身は矢印図の公式と同じ)
➊割合=くらべる量÷もとにする量
❷くらべる量=もとにする量×割合
➌もとにする量=くらべる量÷割合
食塩水の図と公式
ビーカー図
食塩水全体に含まれる塩の量、例えば「15%の食塩水300gに含まれている塩の重さ」を求める矢印図にビーカーや塩の絵をつけると図1のようになります。これを一つにまとめたのが「ビーカー図」(図2)。
(15%の食塩水300gに含まれる塩)
(15%の食塩水300g)
(3つの数が右下にまとまっている)
食塩水の公式
ビーカー図に登場する三種類の数値「食塩水の重さ」「濃度」「塩の重さ」の関係は割合の三公式の「もとの数」「矢の数(割合)」「先の数」とほぼ同じですが…
➊矢の数=さきの数÷もとの数
❷さきの数=もとの数×矢の数
❸もとの数=さきの数÷矢の数
➊濃さの割合=塩の重さ÷食塩水全体の重さ
❷塩の重さ=全体の重さ×濃さの割合
❸全体の重さ=塩の重さ÷濃さの割合
食塩水の濃度(%)は濃さの割合を×100倍したものなので(1%=0.01)、計算に使う時は÷100して「濃度100」の形で使います。また割り算は分数の形にして、プロトタイプの公式を完成させるとこうなります
➊濃度=塩の重さ食塩水全体の重さ×100
❷塩の重さ=全体の重さ×濃度100
❸全体の重さ=塩の重さ÷濃度100

ビーカーの右下に、矢印図を小さくしたものができています(300→(×0.15)→45)。
この公式を覚えれば食塩水の問題はほぼOKなので、理解したら暗唱と書取りで身につけて下さい。
水の濃度
普通「水の重さ」は書きませんが、問題によっては塩ではなく水の重さに注目しないと解けない場合があります。
水の重さは全体の重さー塩の重さです。また100から(塩の)濃度を引いた数が「水の濃度」(変な言葉…)なので、これらを図に書くと、こうなります。
図1:水に注目したビーカー図
説明書き
ビーカーの右下に左向きの矢印図ができていますね(300→(×0.85)→265)。
水の重さ・水の濃度を使った公式を作ると、こうなります。❸が大事です。
➊水の濃度=100-塩の濃度
❷水の重さ=全体の重さ-塩の重さ
❸全体の重さ=水の重さ÷水の濃度100
基本の三公式を覚えた人は、こちらも「作れる」ようにしておきましょう。
面積図とてんびん図
3つの数ABCが「A=B×C」の関係になる時には面積図が出来ました。(詳しくは参考記事「」を見て下さい)
食塩水でも「塩」「全体」「濃度/100」が「」の関係になっているので面積図ができます。
((食塩水の図))
ただ、食塩水に関してはもう一つ「てんびん図」というのがあって、コチラのほうが直感的に解けて便利です。
((てんびん図の例))
もっとも、てんびん図の方は「比(ひ)」という単元を学ばないと使えないかもしれないので、5年の二学期までは面積図を使っても良いでしょう。
食塩水の要素の決定
問題を読みながら行う作業です。公式を使えば簡単です。
塩から求める
濃度の公式を使って、三つの要素「全体の重さ」「塩の重さ」「濃度」のうち2つがわかっている場合に、残り1つを出します。
濃度を求める(全体と塩から)
例えば「食塩10gを使って500gの食塩水を作った場合の濃度」という問題です
公式❶に10と500を「代入」します。
図:塩と全体から濃度を出す
説明書き
濃度を求める(水と塩から)
例えば「食塩20gと水180gを混ぜて出来る食塩水の濃度」という問題です。
❶に20と200(20+180)を代入して計算します
図:塩と水から濃度を出す
説明書き
塩を求める
例えば「3%の食塩水400gに塩は何g含まれるか」という問題です。
公式❷に400と3を代入して計算します。
図:全体と濃度から塩を出す
説明書き
全体を求める
例えば「塩4.8gを使って4%の食塩水を作ると全部で何gか?」という問題です。
公式❸に4.8と4を代入して計算します。分数の中に小数が入っていてもOKです。
図:塩と濃度から全体を出す
説明書き
水から求める
水で聞かれる場合は「水の公式」を使うとパッと出せます。
水を求める
塩○gを使って○%の食塩水を作るのに水は何g必要か
→
(別解)塩÷濃度/100で全体を出して、塩を引いても良い。
全体を求める(水と濃度から)
水○gで○%の食塩水を作るには塩を何g入れればよいか?
この問題は「水の公式」を使わないと解けません。
要素の増減
食塩水に何かの変化を加えます。変化前と変化後の2つのビーカー図を矢印でむすんだ図を書いて、公式を使います
水を加える
食塩水に真水を加えて薄める(濃度を低くする)場合です。全体の重さは増えますが、塩の重さが変わらないことに注意してビーカー図を書き、公式を使います
((図))
濃度を求める問題
○%の食塩水○gに水○gを入れると何%になるか
加えた水を求める問題
○%の食塩水○gを○%にするには何gの水を入れるか
水を蒸発させる
食塩水を煮ると水だけが減り濃度が高くなります(煮詰める)。塩の重さが変わらないことに注意してビーカー図を書き、公式を使います。
((図))
濃度を求める問題
○%の食塩水○gを煮て○gになった。濃度は何%か?
蒸発させた水を求める問題
○%の食塩水○gを○%にするには何gになるまで煮ればよいか?
塩を加える
塩を加えて濃度を高くします。この場合は全体の重さも塩の重さも増えてしまうので、「基本(塩の)の公式」は使えません。
水の重さが変わらないことに注目して「水の公式」を使います。
例題
練習
面積図やてんびん図を使うやり方
ビーカー図で解けるのであまり必要ではありませんが、面積図や「てんびん図」でも解くことは出来ます。
水を加える場合は、「濃度0%の食塩水との混合」と考え
塩を加える場合は、「濃度100%の食塩水との混合」と考えます
食塩水の混合
濃度が異なる2つ以上の食塩水を混ぜる問題です。ここからが本番です。
一回混合をビーカー図で解く
基本的な問題は、ビーカー図を丁寧にかけば解けるので、まずはビーカー図を書きましょう。
((図))
一回混合を「てんびん図」で解く
場合によっては、ビーカー図では「答えが出ない」ことに気づきます。例えば
この時は面積図か「てんびん図」を使います。
面積図
てんびん図(小5二学期以降)
練習
食塩水の置き換え
食塩水の一部を捨てて(分けて)、同じ量の別の食塩水(水)を入れる問題です。
ビーカー図の書き方
水で置き換え
他の食塩水で置き換え
食塩水のやり取り
二種類以上の食塩水の間で食塩水を交換する(やり取り)する問題。
「やり取り算」を思い出してビーカー図を書きます。ビーカー図だけで解けてしまうこともあります。
もしビーカー図だけでは解けないなら、面積図やてんびん図を使います。
やり取り算の考え方
はじめに準備した食塩水同志でやり取りしているだけなので、塩の量も水の量も合計は変わりません。
特に「塩の量が変わらない」ことを使うと解けることが多いです(隠された条件)
基本問題(ビーカー図のみ)
応用問題(面積図、天びん図)

保管セクション
rerere
矢印図
→3つの数が「A×B=C」の関係にある時に、
矢印の向きに沿って「A」「B」「C」を並べた図
(例)「2×3=6」の矢印図


➊さきの数(6)=もとの数(2)×矢の数(3)
❷矢の数(3)=さきの数(6)÷もとの数(2)
❸もとの数(2)=さきの数(6)÷矢の数(3)
れれれ
(15%の食塩水300gに含まれる塩)
(15%の食塩水300g)
(3つの数が右下にまとまっている)
れれれ
➊矢の数=さきの数÷もとの数
❷さきの数=もとの数×矢の数
❸もとの数=さきの数÷矢の数
➊濃さの割合=塩の重さ÷食塩水全体の重さ
❷塩の重さ=全体の重さ×濃さの割合
❸全体の重さ=塩の重さ÷濃さの割合
れれれ
➊濃度=塩の重さ食塩水全体の重さ×100
❷塩の重さ=全体の重さ×濃度100
❸全体の重さ=塩の重さ÷濃度100

れれれ
図1:水に注目したビーカー図
説明書き
れれれ
➊水の濃度=100-塩の濃度
❷水の重さ=全体の重さ-塩の重さ
❸全体の重さ=水の重さ÷水の濃度100
れれれ
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