中学受験】消去算の分かりやすい解き方♪基本の加減/代入法から応用問題まで | そうちゃ式 受験算数(新1号館 数論/特殊算)

中学受験】消去算の分かりやすい解き方♪基本の加減/代入法から応用問題まで

以前この記事を御覧になった方へ(2021.6.10)
表示が乱れて全く読み取れない途中式が数多くございました。昨日全て修正致しました。大変失礼いたしました!

「消去算ってイマイチやりにくいなあ」と悩んでいる中学受験生の方は実は鋭いかもしれません。なぜなら「消去算」は他の特殊算とはちょっと異なっている(算数より数学に近い)んです。

だから、消去算は他の特殊算とは違う「書き方」をするだけで一気に簡単になるんですよ!

この記事では、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が消去算独特の「式の書き方」を使って、基本の「加減法」「代入法」から応用問題まで分かりやすく説明します!

真似して練習すれば、アッと言う間に消去算が苦手でなくなりますよ♪

注:保護者・指導者の方へ

今回の消去算は、中学以降で習う「連立方程式」そのものです。負の数が出てこないのと未知数に「x」「y」を使わないこと以外は、考え方も式の変形も全て同じです。受験算数は「方程式を使わないで解く」のが基本なのですが、実は消去算という形で方程式を使っています。

消去算は便利な裏技的存在です。

目次をクリックすると好きなところにジャンプして読めますよ♪

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消去算に慣れよう

爽茶そうちゃ

こんにちは!「そうちゃ」@zky_tutor(プロフィール)です。

消去算は今まで習った問題とは式の書き方が変わっています。簡単な問題で式の書き方に慣れましょう!ちなみに、塾やテキストで「消去算」が分かりづらい場合、この「式の書き方」を練習しないからかもしれません

式の書き方

最初は問題ではありません!気軽に読んで下さい♪

例えば「りんご2つとみかん3つを買ったら440円だった」とします。

今までは線分図を書いたりしました(学校でも線分図で解く)が、今回の「消去算」ではこういう式を書きます。

「りんご2つとみかん3つを買ったら
440円だった」

りんご2つ + みかん3つ = 440円 

消去算の「式」第一段階

「問題文そのままじゃん!」と思ったアナタ、その通りですwww。

ただ、これから毎回「り」「ん」「ご」とか書いていくのは面倒くさいですね(チョコレートだったらもっと面倒くさい)。そこで、もっと簡単にします!

「りんご2つとみかん3つを買ったら
440円だった」
り2 + み3 = 440
消去算の「式」第二段階

りんごを「」みかんを「」とするなら、「+=440」を「り2 + み3 = 440」と書くイメージです。

どうですか?これなら簡単ですね?
問題文をこのような簡単な式に直すのが「消去算」の第一歩です。

確認テスト(タッチで解答表示)

次の文を式にしなさい
「チョコレート5箱とアメ3袋で950円だった」
→( チ5 + ア3 = 950 )

「えんぴつ10本、消しゴム2個、ノート1冊を買ったら410円だった」
→( え10 + け2 + ノ1 = 410 )

消去算は受験算数の中では変わった存在で、「絵」や「図」を使うよりは「式」だけで解くのが簡単です(私自身、消去算の授業では導入以外で図やイラストを書くことは余りありません)

はじめの消去算(片方が同じ)

片方が1個だけ違う

では、クイズです。「りんご1個とみかん1個で190円、りんご1個とみかん2個では270円だった。みかん1個の値段はいくらでしょう?」

この問題をさっきの式を使って解いてみます(答えがわかっちゃった人も読み進めて下さい…)。

まず問題文をさっきのような「簡単な式」にすると、2つの式にできます。

「りんご1個とみかん1個で190円
りんご1個とみかん2個では270円」
り1+み1=190 り1+み2=270

2つの式をタテに並べるとこうなります。式に名前も付けておきましょう。

「りんご1個とみかん1個で190円
りんご1個とみかん2個では270円」
り2 + み1 =
り2 + み2 =
190(式1)
270(式2)
式をタテに並べる

タテに並んだ式の数字を見比べると、りんごは「1」で変わらず、みかんが「1」から「2」へ1個増えて値段が270-190=80円ふえているので、「みかん1個は80円」と分かりますね!

図3
り2 + み1 =
り2 + み2 =
み1 =
190(式1)
270(式2)
270-190=80
りんごが消えて、
みかん1個の値段が出る

実はこれが消去算(の前半)です。もう一つやってみましょう。

片方が複数個違う

問題「りんご2個とみかん2個で380円、りんご2個とみかん5個では620円だった」

数が増えましたが、まずは式を書いてそれから考えます。タテに並べて書くと、こうですね。

りんご2個とみかん2個で380円
りんご2個とみかん5個では620円
り2 + み2 =
り2 + み5 =
380(式1)
620(式2)
とりあえず式にして個数を観察

りんごの数は2個で変わらず、みかんが3個増えて、値段は430-190=240円増えているので「みかん3個が240円」ですね。これでみかん1個は240÷3=80円と分かります。

図2
り2 + み2 =
り2 + み5 =
み3 =
み1 =
380(式1)
620(式2)
620-380=240
240÷3=80
みかん1個の値段が出た

ついでに、りんご1個の値段も出しましょう!式1をもう一回見て下さい。

図1
り2 + み2 =
り2 + み5 =
380(式1)
620(式2)
式1の「み2」に注目

み2」は「みかん2個の値段」なので80×2=160円 と書いても同じはずですね。「160」と書き換えましょう(これを「代入(だいにゅう)」と言います)。

図3
み1=80 x2み2=160
代入
り2+み2=
り2+160=
380(はじめの式1)
380
み2の代わりに160を入れる(代入)

代入した式1を見ると、「り2」つまりりんご2個は380-160=220円と分かるので、りんご1個は220÷2=110です!これで消去算を解いたことになります。

図3
み1=80 x2み2=160
代入
り2+み2=
り2+160=
り2=
り1=
380(はじめの式1)
380
380-160=220
220÷2 =110
りんごの値段も出た♪

全部の式をもう一度見ると、二段階になっています。

❶みかんを出すまで
り2 + み2 =
り2 + み5 =
み3 =
み1 =
380(式1)
620(式2)
620-380=240
240÷3=80
式1と式2の引き算→割り算
❷みかんを出してから
み1=80 x2み2=160
代入
り2+み2=
り2+160=
り2=
り1 =
380(はじめの式1)
380
380-160=220
220÷2=110
代入して、割り算

はじめは「りんご」と「みかん」2種類のモノの式だったのが、途中から「りんご」が消えて「みかん」1種類だけの式になったということです(だから「消去」算です)。

このように、2種類のものがあった時に、数が同じ方を消去して1種類の式にするのが消去算のコツです。

また、1種類の式にして値段を出した後、はじめの式に「戻る」のも消去算の特徴です。「一種類を出すまで」と「出してから」の2ステップで解くことになります。

消去算の基本(片方の数が同じ)

(例)りんご2個とみかん2個で380円、
りんご2個とみかん5個では620円だった

り2 + み2 =
り2 + み5 =
380(式1)
620(式2)
  1. 消去
    2種類の品目のうち、個数が同じ品目を消去し
    残りの品目単価を出す

    り2 + み2 =
    り2 + み5 =
    み3 =
    み1 =
    380(式1)
    620(式2)
    620-380=240
    240÷3=80
  2. 代入
    はじめの式に戻って、求めた単価を何倍かした金額を代入して
    個数が同じ品目の値段を出す

    み1=80 x2 み2=160
    代入
    り2+み2=
    り2+160=
    り2=
    り1 =
    380(はじめの式1)
    380
    380-160=220
    220÷2 =110

練習問題をどうぞ

0-1:消去算の基礎

チョコ5個とガム3個を買うと合計460円、チョコ9個とガム3個では660円だった。チョコとガムはそれぞれ1個いくらか?
解説

式を縦に並べて書いて個数が同じ品目を消すとチョコ9-5=4個で660-440=200円なので、チョコ1個は200÷4=50円

❶チョコを出すまで
チ5 + ガ3 =
チ9 + ガ3 =
チ4    =
チ1    =
460(式1)
660(式2)
200
50
式1と式2の引き算→割り算

はじめの式に戻って、チ5の代わりに50×5=250 を入れるとガム3個で210円なので、ガム1個は210÷3=70円

❷チョコを出してから
チ5=50x5=250
↓代入
チ5+ガ3=
250+ガ3=
ガ3=
ガ1=
460(はじめの式1)
460
460-250=210
210÷3 =70
代入して、割り算
チョコ50円,ガム70
これで消去算の基礎は卒業です♪次は基本的な問題を解いてみましょう!

消去算その1~加減法

爽茶そうちゃ
消去算の基礎にもう1ステップ加えると標準的な問題を解くことができます!
それが加減法です。

「式」を「倍」する

さっきの調子で解いてみましょう♪

「りんご1個とみかん2個で270円、りんご2個とみかん3個で460円。りんごとみかんの値段は?」

まず式を書きましょう。考えるのはその後です。

「りんご1個とみかん2個で270円
りんご2個とみかん3個で460円」
り1 + み2 =
り2 + み3 =
 270(式1)
460(式2)
個数を観察

さっきのように数が同じモノを消して…アレ??「りんご」も「みかん」も数が違いますね。どうすれば良いでしょうか

上の式を見て、実際の様子をイメージしてみましょう。りんご1個とみかん2個が袋に入って「セットで270円」で売っていると考えます。

このセットを2セット買うと、りんごは1×2で2個、みかんは2×2で4個、値段は270×2で540円になりますね。

つまり「りんご2個とみかん4個で540円」→「り2 + み4 = 540」という式になります(「式1改」とします)。

図4:式を倍する
り1+み2=270(式1)→り2+み4=
540(式1改)
個数も金額も2倍する

りんご、みかん、値段、3つの数が全部2倍されているのが分かります。数を2倍3倍するのと同じように「式」も「倍」することができるのです。

今の倍した式(式1改)と式2を並べると…

図4:式を倍する
り1+み2=270(式1)→り2+み4=
り2+み3=
540(式1改)
460( 式2 )
リンゴの個数がそろった♪

式1改と式2で、りんごの数が同じになっています!これで「りんご」を消して「みかん」だけの式ができるので、みかん1個が分かります。

図4:りんごを消去
り1+み2=270(式1)→り2+み4=
り2+み3=
み1=
540(式1改)
460( 式2 )
540-460=80
みかんの値段を出して

さらにじめの式「り1 + み2 = 270」の「み2」を160円に変えて、りんごを出せば終了です。

図5:
み1=80x22=160
↓代入
り1+み2 =
り1+160=
り1=
270(はじめの式1)
270
270-160=110
代入して,りんごも出す

全部の式を見ると、3ステップになっています。

❶式を倍する
り1+み2=270(式1)→り2+み4=
り2+み3=
540(式1改)
460( 式2 )
リンゴの個数をそろえる
❷消去
り1+み2=270(式1)→り2+み4=
り2+み3=
み1=
540(式1改)
460( 式2 )
540-460=80
りんごを消去してみかんの値段を出す
❸代入
み1=80x22=160
↓代入
り1+み2 =
り1+160=
り1=
270(はじめの式1)
270
270-160=110
みかんの値段を代入して,りんごも出す

このように、2種類のモノ両方の数値がそろっていない場合は、まずどちらかの式を何倍かして数値をそろえられないか考えます。

今回はこのような状態だったので…

今回の問題式
1 + み2 =
2 + み3 =
 270(式1)
980(式2)
リンゴの個数に注目

りんごの数値「1」「2」とみかんの数値「2」「3」を見比べて、式1を2倍すれば良いと考えました。

解き方をまとめるとこんな感じです。

消去算(加減法:片方の個数を同じにする)
  1. 式を倍する
    式を何倍かして一種類の個数をそろえる

    り1+み2=270(式1)→り2+み4=
    り2+み3=
    540(式1改)
    460( 式2 )
  2. 消去
    個数が同じ方を消去して、
    1種類の式にして1個の値段を出す

    り1+み2=270(式1)→り2+み4=
    り2+み3=
    み1=
    540(式1改)
    460( 式2 )
    540-460=80
  3. 代入
    はじめの式に戻って代入して
    もう1種類の値段も出す

    み1=80x22=160
    ↓代入
    り1+み2 =
    り1+160=
    り1=
    270(はじめの式1)
    270
    270-160=110

3ステップの確認テストをどうぞ。自信がある人は自由に2品目の単価を出して下さい。

1-1:消去算の基本

ピザまん1個とあんまん2個の合計代金が320円、ピザまん3個とあんまん3個では660円だった。
2つの場合を式にして縦に並べ、式の1つを何倍かして「ピザまん」か「あんまん」どちらかの数を揃えなさい
解説

式を縦に並べて書くとこうなります

ピ1 + あ2 = 320(式1)
ピ3 + あ3 = 660(式2)

「ピ」と「あ」の数値「1」「3」「2」「3」を見ると、ピザまんの数をそろえるために式1を3倍するのが簡単と思いつきます(よね?)

ピ1+あ2=320(式1)x3ピ3+あ6=
ピ3+あ3=
960(式1改)
660( 式2 )

これでピザの数がそろいました。

そろっていない方の1個の値段(単価)を求めなさい
解説

式1改と式2を見比べて(差をとって)あんまん3個が300円と分かるので

ピ1+あ2=320(式1)x3ピ3+あ6=
ピ3+あ3=
あ3=
あ1=
960(式1改)
660( 式2 )
960-660=300
300
÷3=100

あんまん1個は300÷3=100円です。

100
残りの(数をそろえた)方の単価も求めなさい
解説

式1(式1改ではなく元の式1)に戻って「あ2」の代わりに200を代入すると

あ1=100x2あ2=200
↓代入
ピ1+あ2 =
ピ1+200=
ピ1   =
320(元の式1)
320
320-200=120

ピザまん1個は120円と分かりました。

120

結局、あんまんは1個100円、ピザまんは1個120円ということです♪できましたか?

分かりましたね?次の問題で加減法は終了です

式を2つとも「倍」する

これが「加減法」の最後の問題、ラスボスです!

「りんご2個とみかん3個で460円、りんご3個とみかん2個で490円。りんごとみかんの値段は?」

まず式を書いて、りんごとみかんの4つの数値を観察しましょう。

「りんご2個とみかん3個で460円
りんご3個とみかん2個で490円」
2+み3=
3+み2=
460(式1)
490(式2)
4個の数字を観察

りんごの数値「2」と「3」、みかんの数値「3」と「2」は、さっきと違ってどちらかを倍にしてもそろいません!どうすればよいでしょうか?

こういうときは、2つの式をそれぞれ何倍かして数値をそろえます。結論から言うと「最小公倍数」にそろえればよいのです。

(どちらを消しても大丈夫ですが)今回は「りんご」の数値をそろえて「りんご」を消します。

「りんご」の数値は2と3なので最小公倍数6にそろえます
つまり出来上がりはこうなります。?の部分はいくつになるでしょうか?

図2:式を倍する
り2+み3=460(式1)6+み?=
り3+み2=490(式2)→6+み?=
??(式1改)
??(式2改)
それぞれ何倍するか考える

この作業は分数の「通分」で、分母を倍したのと同じように分子も倍にしたあの感覚でやって下さい。

1つ目の式は「り2」を「り6」にするので3倍です。「み3」も3倍して「み9」に「460」も3倍して「1380」にします。

2つめの式は3を6にするので「2倍」です。「み2」を2倍して「み4」に「490」も2倍して「980」になります。
最後の数字を倍するのを忘れることが多いので気をつけて下さい。

図3:式を倍する
り2+み3=460(式1)x36+み9=
り3+み2=490(式2)x26+み4=
1380(式1改)
980(式2改)
数字(460,490)も倍するのを忘れないように!

これでりんごの数値がそろったので、答えが出せますね。

図4:りんごを消去
り2+み3=460(式1)→り6+み9=
り3+み2=490(式2)→り6+み4=
み5=
み1=
1380(式1改)
980(式2改)
1380-980=400
400÷5=80
みかんの値段を出して
図5:
み1=80 x33=240
↓代入
り2+み3=
り2+240=
り2=
り1=
460(はじめの式1)
460
460-240=220
220÷2=110
代入して,りんごも出す

最後に、加減法の解き方をまとめると、こうなります。

消去算(加減法まとめ)

(例)りんご2個とみかん3個で460円、
りんご3個とみかん2個で490円

2+み3=
3+み2=
460(式1)
490(式2)
  1. 式を倍する
    どちらかの品目の個数がそろうように、式をそれぞれ何倍かする

    り2+み3=460(式1)x3り6+み9=
    り3+み2=490(式2)x2り6+み4=
    1380(式1改)
    980(式2改)
  2. 消去
    個数がそろった品目を消去し、残った品目の値段を出す

    り6+み9=
    り6+み4=
    み5=
    み1=
    1380(式1改)
    980(式2改)
    1380-980=400
    400÷5 =80
  3. 代入
    はじめの式に戻って求めた値段を代入し、もう一方の値段も出す

    み1=80x33=240
    ↓代入
    り2+ み3 =
    り2+240=
    り2=
    り1=
    460(はじめの式1)
    460
    460-240=220
    220÷2=110

3ステップの確認問題をどうぞ。自信がある人は一気に出してみましょう。

1-1:加減法

回転寿司で爽太くんはエビ3皿とサーモン2皿を食べて710円を、茶子さんはエビ4皿とサーモン5皿を食べて1320円を払いました。以下の問いに答えなさい。
2人の代金の式をそれぞれ何倍かして、エビかサーモンの皿数をそろえなさい。
解説

エビ3皿とサーモン2皿で710円、エビ4皿とサーモン5皿で1320円を式にして、「エ」と「サ」に付く数字を見比べると、」を3と4の最小公倍数の12にそろえると思いつくでしょう。

エ3+サ2= 710(式1)x4エ12+ サ8=
エ4+サ5=1320(式2)x3エ12+サ15=
2840(式1改)
3960(式2改)

「エ」と「サ」だけでなく、値段の数値も4倍、3倍するのを忘れないように!

もちろん「サ」を2と5の最小公倍数の10にそろえても構いませんが

エ3+サ2= 710(式1)x5エ15+ サ10=
エ4+サ5=1320(式2)→ x2エ8+サ10=
3550(式1改)
2640(式2改)

ここでは「エ」をそろえて解きます。

皿数をそろえた方の一皿の値段を求めなさい
解説

式1改と式2改を比べる(差をとる)と、サーモン7皿が1120円なので

エ3+サ2= 710(式1)x4エ12+ サ8=
エ4+サ5=1320(式2)x3エ12+サ15=
サ7=
サ1=
2840(式1改)
3960(式2改)
3960-2840=1120
1120÷7=160

サーモン1皿は160円と分かりました。

160
もう一方の一皿の値段を求めなさい
解説

はじめの式1に戻って、「サ2」の代わりに320を入れると

サ1=160x22=320
↓代入
エ3+サ2 =
エ3+320=
エ3=
エ1=
710(式1)
710
710-320=390
390÷3=130

エビは一皿130円と分かりました♪

130

結局、エビは一皿130円,サーモンは一皿160円でした(茶子さん、食い過ぎでしょ…)

分かりましたか?

「加減法」はこれで終了です。もっと問題を解きたい人向けに記事の一番下でおすすめ問題集を紹介しています。

消去算その2~代入法

爽茶そうちゃ
加減法の次は代入法です。さっき「代入」という言葉が出てきましたね。アレと似たことをします。

代入法の基礎(単純代入)

代入法は問題文が先程の加減法と異なります。こういう問題です。

「りんご1個はみかん1個より30円高い。りんご個1とみかん2個で270円になった。りんごとみかんの値段は?」

文の後半は加減法で何度も作った式にできますね。
「り1 + み2 = 270」

一方、文の前半「りんご1個はみかん1個より30円高い」は初めて見る形です。これを式にすると「り1=み1 + 30」となり、並べるとこうなります。

「りんご1個はみかん1個より30円高い
りんご個1とみかん2個で270円」

り1 = み1 + 30(式1)

り1+ み2 = 270(式2)

式1はり1」と「み1 + 30」が同じということなので、式2の「り1」の代わりに「み1 + 30」を入れて新しい式を作ります(式3)。

図3:
り1=み1+30(式1)
↓代入する
り1 + み2=
み1+30+み2=
270(式2)
270(式3)
式1を式2に代入する

新しくできた式3は「みかんが1+2=3個と30円で270円になる」という意味なので、「み3 + 30 = 270」という式にできます。

この式から「み3」つまりみかん3個は270-30=240円と分かるので、みかん1個は240÷3=80と求められます!

図3:
り1=み1+30(式1)
↓代入する
り1 + み2=
み1+30+み2=
み3+30=
み3=
み1=
270(はじめの式2)
270
270(式3)
270-30=240
240÷3=80
式3から、みかんの値段を出す

この後は、式1に戻って「み1」に80を代入してりんごを求めます。

図4
り1=
り1=
り1=
み1=80
↓代入する
み1+30(はじめの式1)
80+30
110
式1に代入してリンゴを求める

消去算(代入法)の解き方をもう一度まとめると、こうなります。

消去算(代入法)
  1. 式を代入
    2つの式のうち「1種類をもう1種類で表した式」
    を残りの式に代入して1種類を消し残りを求める

    り1=み1+30(式1)
    ↓代入する
    り1 + み2=
    み1+30+み2=
    み3+30=
    み3=
    み1=
    270(はじめの式2)
    270
    270
    270-30=240
    240÷3=80
  2. 数値を代入
    はじめの式に戻って数値を代入し、もう1種類の値段も出す。

    り1=
    り1=
    り1=
    み1=80
    ↓代入する
    み1+30(はじめの式1)
    80+30
    110
    式1に代入してリンゴを求める

確認テストをどうぞ

0-1:単純な代入法

爽くんはノート1冊と鉛筆7本を買ったところ合計代金が470円になりました。ノート1冊が鉛筆2本より20円高いとき、ノートと鉛筆それぞれの値段を求めなさい
解説

問題の文章を式にすると

「ノート1冊はえんぴつ2本より20円高い
ノート1冊とえんぴつ7本で470円」

ノ1 = え2 + 20(式1)

ノ1+ え7 = 470(式2)

式1を式2に代入して計算すると「え9」つまり鉛筆9本は450円と分かるので、鉛筆1本は450÷9=50円

図3:
ノ1=え2+20(式1)
↓代入する
ノ1 + え7=
え2+20+え7=
え9+20=
え9=
え1=
470(式2)
470(式2改)
470(式3)
470-20=450
450÷9=50
式3から、えんぴつ1本の値段を出す

この後は、式1に戻って「え1」に50を代入してノートを求めます。

図4
ノ1=
ノ1=
ノ1=
え1=50
↓代入する
え1+70(はじめの式1)
50+70
120
式1に代入してノートを求める

ノートは120円でした。

ノート120円,鉛筆50

代入法(倍して代入)

次はこういう問題です。

「りんご1個はみかん1個より30円高い。りんご個3とみかん2個で490円になった。りんごとみかんの値段は?」

式はさっきとだいたい同じです。

「りんご1個はみかん1個より30円高い。
りんご個3とみかん2個で490円になった」
り1=
り3+み2=
み1+30(式1)
490(式2)
式を作る

そして、さっきと同じように式1を式2に代入したいのですが、式2が「り1」ではなく「り3」になっているので、そのままでは代入できません…

そこで加減法で使った「式を倍する」テクニックで式1を3倍します。

式1を3倍する

り1=み1+30(式1)x3り3=み3+90(式1改)

「み1」を「み3」に「30」を「90」にする

これを式2に代入します。

図3:
り1=み1+30(式1)x3り3=み3+90
↓代入する
り3 + み2=
み3+90+み2=
み5+90=
み5=
み1=
490(式2)
490
490
490-90=400
400÷5=80
式3から、みかんの値段を出す

新しくできた式3は「み5 + 90 = 490」という式にできます。この式から「み5」つまりみかん5個は490-90=400円と分かるので、みかん1個は400÷5=80と求められます!

あとは、式1に戻ってりんごを出して終了です。

図4
り1=
り1=
り1=
み1=80
↓代入する
み1+30(はじめの式1)
80+30
110
みかんを式1に「代入」

練習問題をどうぞ

 

消去算(代入法)の解き方をもう一度まとめると、こうなります。

消去算(代入法まとめ)

(例)りんご1個はミカン1個より30円高い。
りんご個3とミカン2個で490円になった。

り1=
り3+み2=
み1+30(式1)
490(式2)
  1. 式を代入
    2つの式のうち「1種類をもう1種類で表した式」
    を残りの式に代入して1種類の値段を求める

    り1=み1+30(式1)x3り3=み3+90
    ↓代入する
    り3 + み2=
    み3+90+み2=
    み5+90=
    み5=
    み1=
    490(式2)
    490
    490
    490-90=400
    400÷5=80
  2. 代入
    はじめの式に戻り求めた値段を代入して、もう1種類の値段も出す。

    り1=
    り1=
    り1=
    み1=80
    ↓代入する
    み1+30(はじめの式1)
    80+30
    110

わかりましたか?

爽茶そうちゃ
これで消去算の標準的な解法は終了です。中学受験をする小4はここまでできればひとまずOKです。
もっと問題を解きたい人向けに記事の一番下でおすすめ問題集を紹介しています。

三量の消去算

今までは「あんまん、肉まん」のように品目が2種類でしたが、「あんまん、肉まん、ピザまん」のように品目が3種類の問題を解いてみましょう。

ハイブリッド消去算(代入法+加減法)

代入法と加減法が合わさった、こんな問題です。

「チョコはガムより40円高く、チョコ2個とアメ3個で270円、ガム3個とアメ2個で210円だった。チョコ・ガム・アメの値段を求めなさい」

まず式を書いてみます

「チョコはガムより40円高く
チョコ2個とアメ3個で270円
ガム3個とアメ2個で210円」

チ1=ガ1+40(式1)
チ2+ア3=270(式2)
ガ3+ア2=210(式3)

モノが3種類もあるし式に出てくるモノもバラバラで、一瞬どうしたら良いか分からず泣きそうになりますが…式1が代入法の式なので、それを式2のチョコに代入してみましょう!

式の代入
チ1=ガ1+40(式1)x2チ2=ガ2+80
↓代入する
チ2 + ア3=
ガ2+80+ア3=
ガ2+ア3=
ガ2+ア3=
270(式2)
270
270-80
190(式4)
式1と式2から新しい式4を作る

式4が新しく出来ました。これを式3とタテに並べてみると、

新しい式
ガ2 + ア3 =
ガ3 + ア2 =
190(式4)
210(式3)
加減法の問題になった♪

見事に加減法の形になっています!式4を3倍、式3を2倍してガムを6にそろえて消し、アメを出します。

消去
ガ2+ア3=190(式4)x36+ア9=
ガ3+ア2=210(式3)x26+ア4=
ア5=
ア1=
570(式4改)
420(式3改)
570-420=150
150÷5=30
ガムを消し、アメだけの式にして値段を出す

次ははじめの式3に戻って(アメの数が一番少ないので)、ア2に60を代入してガムを出します

代入
ア1=30x2ア2=60
代↓入
ガ3+ア2=
ガ3+60=
ガ3=
ガ1=
210(式3)
210
210-60=150
150÷3=50
2つめの値段が出たり1

さらにはじめの式1に戻って、ガ1に50を代入してチョコを出して終了です。

さらに代入
チ1=
チ1=
ガ1=50
↓代入
ガ1+40(はじめの式1)
50+40=90
やっと終了~♪

チョコ90円ガム50円アメ30円が答えでした!

大変でしたが…何度か練習すればできるようになります。
「できるよ!」という人は確認テストをどうぞ。

確認テスト(タッチで解答表示)

作成中

三和消去算(和の式が三つ)

三種類のモノがあって、そのうち二種類ずつの和の式が三つかいてある場合で、例えばこういう問題です。

「アンパンとジャムパンを1個ずつ買うと190円、ジャムパンとクリームパンを1個ずつ買うと210円、クリームパンとアンパンを1個ずつ買うと220円。パンの値段はそれぞれいくらか?」

「ア」「ジ」「ク」で関係式を作るとこうなります

「アンパンとジャムパンを1個ずつ買うと190円
ジャムパンとクリームパンを1個ずつ買うと210円
クリームパンとアンパンを1個ずつ買うと220円」
ア1 + ジ1=
ジ1 + ク1=
ク1 + ア1=
190(式1)
210(式2)
220(式3)
3つの式ができる…

さらにパンの種類ごとに位置をそろえるとこうなります。

位置をそろえた式
ア1+ジ1  =
ジ1+ク1=
ア1  +ク1=
190(式1)
210(式2)
220(式3)
何が分かるでしょう?

この3つの式を全部合計すると三種類のパン2個ずつの合計になり、それを÷2すると三種類のパン1個づつの合計が出ます(式4)。

三種類の合計を出す
ア1+ジ1  =
ジ1+ク1=
+)ア1  +ク1=
ア2+ジ2+ク2=
ア1+ジ1+ク1=
190(式1)
210(式2)
220(式3)
620
620÷2=310(式4)
一個づつの合計が出る

この式4と式1を比べると、ク1が310-190=120 と分かります。

式4から式1を引く
ア1+ジ1+ク1=
)ア1+ジ1   =
ク1=
310(式4)
190(式1)
120
クリームパンの値段が出た

同様に式4と式2からア1=310-210=100、式4と式3からジ1=310-220=90と分かります!

式4から式2を引く
ア1+ジ1+ク1=
)   ジ1+ク1=
ア1     =
310(式4)
210(式2)
100
アンパンの値段が出た
式4から式3を引く
ア1+ジ1+ク1=
)ア1   +ク1=
ジ1   =
310(式4)
220(式3)
90
ジャムパンの値段が出た

式の操作をフルに活用して解きました。これと似た解き方は「和差算」の中の「三和算」で学習しましたね。

例題が理解出来た人は確認テストにチャレンジしてみましょう。

確認テスト(タッチで解答表示)

作成中

これで中学受験小4の消去算(和と差の消去算)は終了です。

割合/比の消去算(受験小5)

小5で「割合」「比」を学習した後は消去算でも割合や比を混ぜて使います。これをマスターすれば入試問題に出る消去算もかなりの部分を解けるでしょう。

割合や比に自信がない人は関連記事「割合のまとめ」「比のまとめ」を見ると良いでしょう

割合の消去算

小数や分数が式に入ってくるが、解き方は同じ

 

比の消去算

逆比の条件を読み取って、比の記号数字を使った式を2つ(以上)作り消去算を解く。

 

 

爽茶そうちゃ
「消去算」は以上です。お疲れ様でした!
オススメ問題集を紹介。
●消去算だけを解きたい人には「消去算」(サイパー算数)がオススメ
●他の単元も合わせて復習したい小6受験生には「算数ベストチェック」(日能研)がコンパクトにまとまっていてオススメですが詳しい解説がほしい人は「中学入試 塾技100(算数)」の方が良いかも。
●単元学習中の小4小5には「算数の基本問題(小5)」(日能研)がオススメ

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最後まで読んでいただきありがとうございました♪
この記事があなたの役に立てたなら嬉しいです!

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